ピーターパン症候群の定義とは?
子ども向けのアニメとしても有名になった「ピーターパン」をご存知ですか?イギリスの作家ジェームス・マシュー・バリーが原作の物語で、ずっと子どものままのピーターパンが「ネバーランド」というおとぎ話の国で暮らすというストーリーです。
1983年にアメリカの心理学者団・カイリーが、著書『ピーターパン症候群』(Peter Pan Syndrome)のなかで、ピーターパンのように「大人になれない・大人になりたくないと成長を拒む」男性の心理を「ピーターパン症候群」と名付けました。ピーターパン症候群(=ピーターパン・シンドローム)はパーソナリティ障害の概念として提唱されたのですが、精神学・心理学においては学術用語としての位置づけはされていません。
ピーターパン症候群の特徴とは?
ピーターパン症候群では様々な症状が言われますが、いわゆる空気が読めないような言動を繰り返したり、感情の幅が左右に極端に振れたりなど、幼稚な言動が目立つことが症状として挙げられます。
また、自分が他人にどう思われているのかをわからないのも症状の一つでとにかく幼い言動が目立ちます。それゆえに、恋愛でも関係を続けることが出来ず、自分の気持ちだけを先行することが多いです。
それでは、以下で具体的な特徴を紹介していきます。
感情のコントロールが苦手
ピーターパン症候群の特徴の一つとして、大人になっても年相応の感情コントロールが出来ないと言うのが挙げられます。子どものようにいきなり怒りだしたり泣いたりするなど、周囲にはとても困った人に映ることもあります。また、逆にいきなり笑いだすこともあるなど、その場の雰囲気にあった大人らしい行動が出来ないのが特徴です。
諦めが早い
大人になれば我慢することは多くなるのが普通です。普通の人はそれに対して我慢することで、忍耐強く何かを成し遂げることが出来ます。でも、ピーターパン症候群にかかってしまうと、忍耐などが極端に苦手になります。「もう少し続けてみようよ」と声を掛けるととヘソを曲げてしまい、拗ねたり癇癪をおこしたりします。
努力が嫌い
挫折することは誰にでもあります。ただ普通の人は、頑張っても出来なかったことをある程度恥ずかしいことだと感じ、直すように努力します。ピーターパン症候群の特徴として、無理だと思った事をもう一度やり直そうなどの考えが浮かばなくなります。自分で努力をするのが嫌で、社会からどう評価されているかなどを考えずに行動するので、恋愛も仕事も結局は中途半端で終わってしまいます。
プライドが高い
ピーターパン症候群にかかっている男性はプライドが高い特徴が見受けられます。負けず嫌いとも言えますが、ミスをしても自分のせいだとは思わずに、他人に責任転嫁をしがちです。小さ子どもはミスをしても、大人が何とかしてくれると思う事がありますが、ピーターパン症候群の人はこれが大人になっても続きます。
責任を自分で取らず、プライドだけが先行し、他人には厳しく当たるのに、自分には優しいという余り好ましくない人格になってしまいます。楽天的な考えは良い方面に働く事もありますが、無責任になるのはその人にとっても周りの人にとっても好ましくありません。
現実世界に目を向けない
いくつになっても夢を見続けることは、一見素敵なようにも見えますが、ピーターパン症候群の人はそれが顕著すぎて特徴になっています。プライドが高いことで、自分は特別な人間なのだと勝手に自己評価をしてしまい、社会的に成長する事を自ら避けようとします。
ピーターパン症候群が進んでしまうと、「ああだったらいいな、こうだったらいいな」と空想の世界に生きることだけを考え、周りを見ようとしません。仕事でも周囲から冷ややかな目で見られますし、そのような状態が続けば、周りからの信頼はどんどん失われていってしまうでしょう。
恋愛が苦手
恋愛を長く続けようとするなら、相手の事を考えてあげる気持ちは必須と言えます。ピーターパン症候群の人は、でもそれが出来ません。自分が一番と考えているので、相手の意見を省みることもありませんし、自分の言動が相手にどう思われているのかを感じ取れないのです。
また、ちょっと傷付けられるだけでも異常に落ち込んでしまうので、ストーカータイプになる可能性もあります。関係が続かないのは相手のせいだと思いこんでしまうので、絶対に自分が悪いとは思わないのはピーターパン症候群の最大の欠点とも言えます。
ナルシスト傾向
自分が一番大好きという事は、それだけなら困った人と言うだけで済みますが、ピーターパン症候群の人は他人排除してしまいがちな特徴が指摘されています。本来自分には無い才能をあると思い込み、「自分は特別だ」と捉えます。
それ故に、自分にはとことん甘く、他人には厳しい態度を取りがちです。自分を正当に評価できないことは様々な問題を引き起こします。
主観的な判断しかできない
大抵の人は大人になる過程で、自分と相手の立場を客観的に見ることが出来るようになり、相手からどう見られているかなどを意識するようになります。ただ、ピーターパン症候群の人は、自分本位なので客観的な判断が苦手な傾向があります。
自分が良ければ、他人は二の次、三の次なので自分の考えが一番と思いこんでしまうのが特徴です。恋愛でも仕事でも、自分を客観的に見られないことでマイナスに働くことが多くなります。
ピーターパン症候群かどうかチェック診断
上記では主な特徴を挙げましたが、今度は質問形式でピーターパン症候群かどうかチェックしてみましょう。
自分が、もしくは身近な人がピーターパン症候群かどうかを知りたい方は、以下の15個のチェックリストを参考にしてみてください。
ピーターパン症候群のチェックリスト
1.すぐにできないと投げ出してしまうことが多い。 |
2.「自分のせいではないのに」と不満に思うことが多い。 |
3.自分を抑えることができず、怒りが爆発してしまうことがある。 |
4.思い通りにならないと周囲にあたってしまうことが多い。 |
5.努力や我慢ができないし、価値を感じない。 |
6.職場をよく変わる。長続きしない。 |
7.自分の価値観やこだわりが強く、他人の意見が耳に入らない。 |
8.自分には落ち度はなくいつも正しい。自分は認められて当たり前。 |
9.自信がなく劣等感を持っている。 |
10.繊細だとか気持ちが弱いと思う。自分を傷つけるものは悪だと感じる。 |
11.恋愛しても長く続かないことがほとんど。 |
12.自分中心の意見に固執して客観的になれないことがあると思う。 |
13.一人で過ごしたり、空想にふけることが好き。 |
14.誰かに頼っているとラク。一人で行動するのは不安に感じる。 |
15.気がつくと一人になっていることが多いが、理由がわからない。 |
診断結果
上記のチェック項目で、該当ポイントが4個以下なら、全く心配はありません。
該当ポイントが5~7個なら少し自己分析をしてみましょう。8~10程該当するなら要注意です。もし該当が11個以上ある場合は、あなたはピーターパン症候群の可能性が大です。まずは自覚することが大切です。