「恵方巻」は、食べる縁起物として平成10年ごろから急にテレビや雑誌などメディアに登場し注目されていますが、節分に食べる恵方巻は関西地方の一部で昔から行われてきた風習と言われています。
また恵方巻の考え方には諸説あり、恵方巻きを「逃げた鬼が忘れた金棒」と考え鬼退治の意味とする人もいます。
恵方巻の意味・由来
恵方巻とは七福神にちなんで7種類の具をのりと寿司飯で巻き込んだ巻き寿司で、恵方を向いて巻き込んだ福を逃さないように一本全部を無言で食べると、無病息災や願い事がかなうとされています。
この他、福を「巻き込むため」に巻き寿司となったという説もあります。そのため恵方巻には七福神にあやかって具材を7種類使い、切らずに長いまま食べることで長生きを願う意味も込められていると言われています。
恵方巻の起こりも諸説ありますが、江戸時代後期に大阪の商人が芸者さんとの芸遊びの中で商売繁盛を願いながら食べたことから始まったというのが一般的です。
恵方の考え方
恵方とは吉とされる方角のことで、古い時代にはその年の豊作や幸福をもたらしてくれる正月の歳神(としがみ)様が降りてくる方角を指しました。
日本に中国から陰陽道が伝わってからは、幸福と富をもたらしてくれる歳徳神(としとくじん)のいる方角を「恵方」と呼び、たたりなど不吉なことがない最も良い「吉の方角」とされました。
2020年の恵方は?
2020(令和2)年の恵方は「西南西」です。
恵方は基本的に4つの方角から成り立っています。その4つの方角と暦の表示で用いられている十干(じっかん)を組み合わせてその年の恵方が決められており、5年周期で同じ方角が回ってきます。
ポイント
- 恵方とは歳徳神(としとくじん)のいる吉方角を指し、2020年の恵方は「西南西」です。
- 恵方巻とは関西地方で受け継がれていた風習で、巻き寿司である恵方巻をその年の恵方に向かって無言で食べると無病息災や商売繁盛が叶うとされています。
まとめ
節分の行事は「無病息災」「事故災難よけ」「商売繁盛」など、家族の一年の無事を願う大切な行事です。
「恵方」は幸福をもたらす歳徳神のいる方角とされるため、縁起を担ぎ恵方巻を食べることで家族の無病息災を願う気持ちが運気を良い方向へと向かわせます。
ただし、恵方巻きは1本すべてを食べることに意味があり、途中で止めると「運が逃げる」とも言われますので、食べる前にお腹や胃の大きさと相談し恵方巻の大きさを選びましょう!