苦悩の梨とは?
「苦悩の梨」はヨーロッパで中世に使われていたという拷問器具の名前です。
拷問と言うとヨーロッパ以外にも中国などの拷問も有名ですが、器具を使った拷問ならやはりヨーロッパの方が種類は豊富ではないでしょうか?
拷問に使われたくらいですから、禍々しい特徴的な形をしています。梨という名前がついた由来など以下にご紹介します。
拷問器具・苦悩の梨
「苦悩の梨」は、形が特徴的な拷問器具ですが、残虐な使い方をされます。
通常は上の図のように閉じた状態ですが、ねじを回すことで少しづつ開き、下の図のような形になります。
この苦悶の梨を相手の膣や肛門、または口に入れて、少しづつ広げて痛めつけるという使い方をします。
苦悩の梨の名前の由来
「苦悩の梨」は、器具の形が洋ナシの形に似ていることから名前がついたそうです。そうなると、一度でも苦悩の梨の効果を知ったら、怖くて洋梨が食べられなくなりそうな怖い拷問器具ですね。
使われた年代
「苦悩の梨」が発明され、使われていた年代は、中世のヨーロッパと言われています。
苦悶の梨の拷問効果は筆舌に尽くしがたく、使い方を聞いただけでも恐怖を覚えるでしょう。
中世ヨーロッパの拷問器具と言えば「鉄の処女(アイアンメイデン)」なども有名ですが、拷問で苦痛を味わいながらも死に直結しないという事実からも、苦悩の梨は苦しめることに特化しています。
苦悩の梨は苦悶の梨/苦痛の梨とも呼ばれる
「苦悩の梨」は、別名「苦悶の梨」や「苦痛の梨」と呼ばれることもあったようですが、拷問器具としては知名度は低めです。ただ、その残虐性はかなり高めと言えます。一体どんな罪人に使われていたかを知れば、その意外性に驚くことでしょう。
苦悩の梨による拷問の対象者
対象者1 同性愛者
「苦悩の梨」を使われる人には、例えば同性愛者が対象となりました。特にキリスト教では同性愛者は異端とされ、神を信じない不届きものと言う扱いだったのですね。獣姦が罪となるのはわかりますが、ソドミー(不自然な性行為)も神の冒涜とされる辺りは中世らしさを感じます。同性愛者の多くは男性でしたが、肛門に苦悩の梨が使われることで、対象者の心も砕かれたと言います。
対象者2 魔女
中世の魔女狩りと言えば、有名な女性にジャンヌ・ダルクさんがいますが、彼女は火あぶりの刑に処されたことで有名ですよね?当時魔女として対象になった女性としては、娼婦なども魔女扱いされています。苦悩の梨を女性に使う場合は、男性と違い膣に入れて犯されるかのような形で使われていました。
拷問に対する苦痛はかなりのものだったと推測されます。
対象者3 神への冒涜をした人
苦悩の梨の対象者は、基本的に神の尊厳を冒したものに対して行われていました。宗教が絶対的な力を持っていた中世ヨーロッパでは、神の冒涜は死に値する罪だったのですね。
ちなみに、神への冒涜の罪で苦悩の梨が使われた時には、二度と神の名を冒涜できないようにと口に入れて拷問がされていました。
苦悩の梨の使い方
苦悩の梨の使い方
口/肛門/膣用がある
「苦悩の梨」は、対象者に応じて使い道が決まっていました。ですから、口用、肛門用、膣用などがあり、罪の種類によって使い分けがされていました。例えば、以下のような感じに用途が分けられていたようです。
罪に応じた使い分け
- 神の冒涜=口から神への悪口などの言葉を発せられないようにしていました。
- 同性愛者=男性が多かったことから、二度と性行為ができないようにと肛門に使われました。
- 魔女=女性に対する拷問なので、主に膣用が使われていたようです。
教会が絶対的な権限を持っていたからこそ、拷問器具も異端者探しに一役買っていたということですね。
人体を内部から破壊する
使い方はどのタイプも同じで、穴の中に苦悩の梨を入れ、ねじを回すと器具が広がり、中で穴が裂けるという使い方がされていました。
体の中から破壊するという点では、恐らく他の拷問器具が及びもつかないような想像を絶する痛みが襲ったことでしょう。
「苦悩の梨」は、人体を外側からではなく内部から破壊する目的で使われていました。加えて、罪人の心が折れるような辱めを与えることにも使われていました。挿入されること自体に羞恥心がありますから、肉体的にも精神的にも苦痛を与えることができた拷問器具であるとも言えます。