「付喪神(つくもがみ)」とは?
付喪神(つくもがみ)とは、長年使い古された道具や霊魂や神様が宿った妖怪のことです。
また伊勢物語抄の「陰陽記」では、百年生きた狐や狸などの動物が変化したものを付喪神といいます。
付喪神は人をたぶらかす妖怪として室町時代頃から登場し、「付喪神絵巻」や「百鬼夜行絵巻」など様々な書物に描かれています。
「付喪神」はなぜ生まれる?
付喪神は長年使い古された道具たちによる人間への怒りとして生まれるとされています。
「付喪神絵巻」では、付喪神は「九十九神」と表記され、百年使い古した道具には付喪神が宿るとされています。
そのため、九十九年を節目に人間たちが道具を捨て、それに怒った道具たちが付喪神として変化し、復讐のために暴れ回ったとあります。
江戸時代では、こうした付喪神の災難を受けないよう、旧暦の12月下旬に煤払い(すすはらい)を行ないました。
ちなみに「伊勢物語」にはこんな歌がある。
百年(ももとせ)に 一年(ひととせ)たらぬ つくもがみ 我を恋ふらし 面影に見ゆ (百歳に一年足りない年の白髪頭の老婆が私に恋をしているらしい。面影のようにみえる) |
ここでのつくもがみは、「百に一が足りないかみ」という解釈から「白髪」のことを指している。
つまり「百に一足りない数である九十九」を「つくも」と読ませるわけだ。
「付喪神」に対する海外の反応
海外には付喪神の概念はないとされています。
千葉県いずみ市の光福寺では、SONYが発売したロボット犬、「AIBO」の供養が行われています。これは、AIBOを長年使ってきた高齢者が亡くなった後、残されたAIBOに宿った魂を抜いてあげる目的がありますが、これをみた海外の反応は、
「日本人はおかしい」
「なんて馬鹿なことをするんだ」
というものでした。
つまり、物に魂が宿る付喪神の概念は、日本独自のものであり、長い年月をかけて今もなお伝承されているものの一つといえるでしょう。
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