祝詞1. 祓詞とは?
祓詞(はらえどのことば)とは、心身のお祓いをするための祝詞です。修祓(しゅばつ)の際に神様に奏上します。祓戸の祝詞は唱えることで、禍事(まがごと)・災い・穢れ・罪を祓戸の神々に清めて頂けるといわれている祝詞です。祓戸の神々とは、瀬織津比売(せおりつひめ)・速開都比売(はやあきつひめ)・気吹戸主(いぶきどぬし)・速佐須良比売(はやさすらひめ)の4柱です。
この祓戸の神々は大祓詞(おおはらえことば)にも登場します。出雲大社の参道入口にも、祓戸神社という小さな社があり、ここで心身を清めてから参拝するのが作法となっていますよ。
祝詞2. 大祓詞とは?
大祓詞(おおはらえことば)とは、全ての罪と汚れを祓う祝詞です。大祓詞の「大」には大きくの他に「公」という意味が込められています。宇宙の全てを祓う祝詞として、現在でも多くの神社で毎日奏上されている祝詞です。
また、古来よりも願望が実現する祝詞として、罪を祓い清めるために神前で大祓詞を1,000回奏上する千度祓や、10,000回奏上する万度祓というものも存在していました。大祓詞の起源は、天皇家に仕えていた祭祀氏族である中臣氏(なかとみうじ)が神様のお告げを聞き、それを大和言葉で述べ記したのが始まりといわれています。
中臣氏の祖先は、天児屋命(あめのこやねのみこと)といわれており、諸説ありますが、天児屋命の御神孫である天種子命(あめのたねこのみこと)が残したのではないかという説も存在します。はっきりとした起源はわかりませんが、はるか昔から存在している神様の詞といえるでしょう。
起源当初から長い年月奏上されている大祓詞ですが、全てを唱えるのには長すぎるのが難点です。そこで、唱えやすく功徳を失わない要点だけをまとめたものが考案され、最要中臣祓(さいようなかとみのはらえ)や最上中臣祓(さいじょうなかとみのはらえ)となって現代に伝わっています。
祝詞3. ひふみ祝詞とは?
ひふみ祝詞とは、厄災が幸福に転向する除災招福のご利益を頂ける祝詞といわれています。ひふみ祝詞の起源も、まだ神々しかこの世に存在しなかった時代です。天照大神が岩戸に身を隠してしまった際に、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が神舞を舞ってこの神歌を詠ったのが起源とされています。
ひふみ祝詞は、日本語の清音47音をそれぞれ1回のみ使用して作られたアナグラムです。ひふみ祝詞のアナグラムは非常に奥が深いものとして、日本語からの観点だけでなく、ヘブライ語や日ユ同祖論といった視点からも研究が進んでいます。
祝詞4. 龍神祝詞とは?
龍神祝詞とは、龍神様とご縁を結び願望を実現させるための祝詞です。龍神祝詞の起源についての詳細は不明ですが、古来の日本では雨乞い祈願をして龍神の御神威を授かった龍神信仰が盛んでした。そのため、龍神伝説も日本各地に残されており、龍神信仰が盛んであった証拠として、現在も日本各地に龍神様を祀った神社が多く存在しています。
龍神様とのご縁が深く、ご祭神として祀っている神社では、現在も毎日龍神祝詞が奏上されていますよ。龍神様とのご縁を結びたいという人は、龍神系の神社に参拝した際に奏上するのがおすすめです。
祝詞5. 鳥居之祓とは?
鳥居之祓(とりいのはらい)とは、神社にある鳥居をくぐる前に奏上する祝詞です。鳥居とは、神様が住む神域と私たちの住む人間界の境界線ですよね。神様の住まう神域に、一切の穢れは持ち運べません。そのため鳥居をくぐる前に穢れを祓う祝詞として、鳥居之祓が存在します。
神社へ参拝する際には、鳥居の前で鳥居之祓を奏上するようにしましょう。神社によっては一の鳥居や二の鳥居と複数の鳥居が存在する場所があります。そういった場合は、一の鳥居の前のみで奏上すればOKです。一番最初に通過する鳥居の前で奏上するのがマナーとなっています。
祝詞6. 略祓詞とは?
略祓詞(りゃくはらえことば)とは、「祓へ給へ清め給へ(はらえたまえきよめたまへ)」という祓詞を略したものです。祓詞を唱える時間がない場合や、神社での手水で身を清める際に奏上するとします。


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