春の季語に春暁(シュンギョウ)があります。タイトルにそのまま春暁を使用した有名な漢詩もあります。訓読みするとアカツキとなり、現在では明け方を意味し、曙(アケボノ)と同義語ですが古典では区別されていました。
朝惑いは、朝から眠たいことで、とりわけ春の夜明けの眠たさを表現しています。
夏に関する大和言葉
立夏(リッカ)は、夏の始まりを意味する言葉で、現在の5月5日か6日にあたります。暦の上では「夏」というと陰暦の4月から6月のことを指しています。どの季節も大和言葉では初と中と終わりに区分され、夏の季節は初夏・仲夏・季夏とにわけられています。
秋に関する大和言葉
稲妻は雷のことですが、字のとおり稲の配偶者の意味があります。雷が鳴る時期が稲の実がなる頃と重なるので、稲妻が稲の穂を実らせるのだと信じられていたからです。恋人たちが感じる秋は物悲しいものですが、農夫にとっては春に蒔いた種が実りをもたらす秋でもあるのです。
冬に関する大和言葉
冬に初めて降る雪を初雪と呼び、最後に降る雪を忘れ雪と呼びます。冬に別れを告げ春を迎えた頃に降る雪を名残り雪と呼ぶのですが、冬には雪解けを待ちつつ、春になると雪が名残り惜しくなるのも日本人の情緒なのでしょう。
冬を寒い季節と捉えるだけでなく、霜や雪を美しい風物詩として捉えています。
自然に関する大和言葉
日本人は、人間を自然の一員とし、人間と人間以外の生物を区別せずに捉えてきました。四季が美しい日本の風土にも起因するのでしょう、大和言葉には植物をモチーフとしたものがたくさん存在しています。
花曇りという大和言葉があります。桜の季節の空が薄曇りのことで、日本を代表する花である桜は和歌にも詠まれ、大和言葉としても多用されています。
恋愛に関する大和言葉
花は美しく初々しいことへの例えに用いられますが、恋愛において人の心の移ろいやすさを表す大和言葉に「心の花」というものがあります。
花妻は初々しい新妻を、花帰りは新妻の初めての里帰りを、花という大和言葉を使い表現しているのです。平安時代のラブレターであった美しい和歌は「言葉の花」と呼ばれていました。
名前にも使える大和言葉
赤ちゃんに名前をつけるとき、漢字を最初に決めてしまい読み方を後から考える場合と、発音を最初に決めてしまい漢字を後から考える場合とがあります。大和言葉は日本人の感性に合った響きを持ちますので、名前に用いることが多く、50音それぞれに意味があるのも特徴でしょう。
大和言葉についてのアプリがたくさんあり、名前に関するアプリもあるので自分の名前を検索してみるのもいいかもしれません。
男の子の名前に使える大和言葉
男の子の名前に人気なのは、格好良さのようです。
彗はケイと発音しますが、漢字から汲み取りますと彗星、つまりホウキボシを意味します。ケイのケは不思議な霊力を持つ存在、イは命の根本にかかわるエネルギーと、ふたつの意味を重ね持っています。
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