千手観音の手は何本ある?
千手観音の手は何本ある
千手観音というお名前には『千手』という文字が入っています。これは通常なら「千本の手」という意味になります。それでは、千手観音には、お名前の文字通り、本当に千本の手があるのでしょうか?ここでは千手観音の手を中心に、ご紹介して参ります。
千手観音の手は千本もない
千手観音の手は千本もない
結論から申し上げますと、ほとんどの千手観音像には千本も手がありません。多くの千手観音像の手は、40本程度です。「それではどうして名前に『千手』という言葉が入っているの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。これは、多くの手をもって、たくさんの衆生を救うという意味が込められています。この『多くの手』が「千本の手」になり、それが転じて『千手観音』というお名前になったと言われています。
千手観音は、多くの衆生を救いたいという観音菩薩様の強い願いの化身でもあります。多くの衆生を救うには、それだけたくさんの手が必要です。その意味が『千手』という言葉に込められているのです。それだけ千手観音は、大変慈悲深い仏様であることを示しています。
千手観音の手に持つ様々な法具
千手観音の手に持つ様々な法具
千手観音は手に、様々な種類の法具を持っています。左手と右手のどちらにそれぞれの法具をお持ちになっているかは、千手観音像によって異なります。ここでは、千手観音像がお持ちになっている法具の種類を、簡単な説明とあわせてご紹介いたします。
- 宝戟(ほうげき)
中国に存在する、先端部分が3つに分かれた矛です。千手観音像では、錫杖と解釈されています。 - 化仏(けぶつ)
衆生を救う為に現れる、仏様本来の仮のお姿の仏像です。 - 宝鐸(ほうたく)
神社仏閣や塔などの軒にぶら下げられた、大きな風鈴のような形の飾り。危険が近づくと大きな音を立てて知らせる役目があります。 - 白蓮華(びゃくれんげ)
白蓮華には、どんな人であっても、仏様の心に触れ、仏様の教えを疑わない人は、美しい白蓮華のような、誰もが魅了される素晴らしい人間になれる、という意味があります。 - 払子(ほっす)
人が持つ煩悩を払う為の武具。もとは、インドでハエや蚊を払う為の道具として用いられていました。 - 羂索(けんさく)
もとは、獣などを捕らえる為の罠。青・黄・赤・白・黒の五色の糸を縄上に編んだ仏具。衆生の救済の象徴とされています。 - 日輪(にちりん)
太陽そのものを表す仏具。太陽は悪そのものを焼き尽くすイメージがあり、この日輪で衆生の悪をすべて浄化し、極楽浄土へ導かれるようにしてくださいます。 - 宝輪(ほうりん)
「輪宝(りんほう)」とも言う。もともとはインドに伝わる車輪。仏具では、あらゆる災厄や煩悩を撥ね退けるとされています。 - 宝螺(ほうら)
ほら貝のこと。これを吹き鳴らし、極楽浄土へ導く神を呼び寄せます。 - 髑髏杖(どくろじょう)
「一切の鬼神を意のままに操る」為の仏具と言われています。『鬼神』とは、この場合は『病』を意味しており、病気を意のままに操り、快方へ向かわせるという意味があります。 - 錫杖(しゃくじょう)
「宝戟(ほうげき)」と対になっています。すべての人たちに慈愛と守護を施してくださる為の仏具です。 - 三鈷杵(さんこしょ)
人が持つあらゆる煩悩を打ち砕く為の仏具です。 - 宝珠(ほうじゅ)
人間が現世で生きていく為に必要な衣食住を授け、人間が現世で抱く願いを叶える為の宝石です。 - 蒲桃(ぶどう)
仏教では、ブドウはひと房にたくさんの実がなるところから、五穀豊穣を表すとされています。 - 月輪(がちりん)
熱や毒関連の病を治すとされています。 - 宝箭(ほうせん)
矢のことです。良い友を得る為の仏具とされています。 - 宝弓(ほうきゅう)
宝箭(ほうせん)と対をなしています。こちらは、出世の願いを叶えてくれる仏具です。出世は一人でできるものではなく、出世した後も大切なのは人間関係です。その為、良い友を得る為の仏具である宝箭と、出世の願いを叶えてくれる仏具の宝弓は、対になっています。
千手観音像が持っていらっしゃる仏具は、これ以外のもまだまだたくさんあります。こちらでは主だったものをご紹介させて頂きました。それぞれの仏具には異なった意味が込められています。すべての衆生を救済してくださる千手観音は、その為にたくさんの仏具が必要だということなのでしょう。


