神産巣日神(カミムスビ)とは
神産巣日神(カミムスビノカミ)とは、日本神話に登場する神々の中で、アメノミナカヌシカミとタカミムスビノカミに次いて3番目に誕生した神として認知されています。この三柱を合わせて造花三神(ぞうかのさんしん)といい、日本神話の中でも最重要な位置付けの神々です。全ての世界や神々はこの造化三神から生み出されたから、という理由でこのように呼ぶに至りました。
神産巣日神の別称
神産巣日神の別称をご紹介します。
- 古事記…神産巣日神
- 日本書記…神皇産霊尊
- 出雲風土記…神魂命
上記以外の呼び名に神産巣日御祖命(カミムスビノミオヤノミコト)と伝えられている古文書もあります。「御祖(ミオヤ)」は母と訳されることが多いですが、三柱の一角を担う神産巣日神は天地創世の神なので母は存在しません。この場合は全ての大いなる母という意味として捉えられています。
神産巣日神にまつわる神話
神産巣日神にまつわる神話を4つに分けてご紹介します。
①独神(ひとりがみ)
男女の区別がなく誰から生み出されたかの記述が存在がなく、造化三神は単独での生命開眼(かいげん)とされています。しかし、描写される際には女性神風になることがあり、造化三神のタカムスビと対になります。②天地開闢(てんちかいびゃく)
天地開闢の際、高天原から現れた神として伝えられています。天地開闢とは天と地が開けた瞬間のことをいい、世界の始まりとされます。
③神々の蘇生
神産巣日神は全生命復活の霊力を持ち合わせる神であるため、兄神たちに謀殺された大国主命は神産巣日神によって命の復活を遂げたと伝えられています。
④大国主命の国造り
大国主命が国造りに悩んでいた時、スクナビコナ(神産巣日神の息子)がやってきたという説があります。彼が神産巣日神の息子と知った大国主はたいそう喜び、神産巣日神の命令で義兄弟となり、以後スクナビコナが国造りの手伝いをしたとされています。