式年遷宮とは?その意味
式年遷宮とは?その意味
式年遷宮とは、神社などが古くからのしきたりにならい、指定された周期(式年)で宮地を改め、新宮にお移りいただく行事です。
伊勢神宮の遷宮を指す際に用いられる言葉で、一般的な神社では遷座や宮移と呼びます。
伊勢神宮式年遷宮は20年を式年として行われますが、春日大社・住吉大社などもほぼ20年ごとに行われています。また出雲大社には“式年”という概念はありませんが、修繕といった意味合いで60年に1度ほどの間隔で行われています。
ポイント
- 式年遷宮とは神社などが古くからのしきたりにならい、指定された周期で宮地を改め、新宮にお移りいただくことです
- 多くは伊勢神宮の遷宮を指します
伊勢神宮での式年遷宮について
伊勢神宮での式年遷宮について
20年に一度行われる伊勢神宮最大の祭り
伊勢神宮の式年遷宮は20年に一度行われます。御社殿のみならず御装束神宝や別宮・宇治橋など、すべてが新しく作り替えられ、遷御の儀が終わるまで8年の年月をかけて33の祭りと行事が行われます。
この一大祭祀は「皇家第一の重事、神宮無双の大営」とも言われています。古くは伊勢の街も、式年遷宮に合わせて作り替えられていたことから、街の活性化にもなっていたのでしょうね。
伊勢神宮で式年遷宮が行われる理由について
式年遷宮がなぜ行われるのかについて、正式な記述は残されていません。現在は以下のような説があります。
- 神の降臨にふさわしい清新な神座を用意するため
- 五穀豊穣を祝う「神嘗祭」を常に清新な場で行うため
- 常に新しさを失わずにいることで、神の御威光や御神徳の永遠を目指した(常若)
そしてなぜ20年と決められたのかについても記述はありませんが、以下の理由からではないかと考えられています。
- 橋や社殿に使われる用材の耐用年数
- 稲などの御神饌の貯蔵限度
- 御装束神宝や社殿などが新しさを失う年数
- 建築技術や御装束神宝作りの技を次の世代に伝えるための年月が約20年
式年遷宮と御装束神宝
式年遷宮ではすべてを新しく作り替えることで、神の御威光や御神徳の永遠を祈るという意味がありますので、御装束や御神宝も新しくなります。
御装束は天照大御神の衣服や関係する服飾品だけでなく、殿上や庭を飾る物のことをいいます。神宝は殿内に奉安する調度品のことで、紡績具・武具・馬具・楽器から、文具や日常用具までを指します。
その数は714種類・1576点にも及び、奈良・平安時代に使用されていた品の形状や材質・技法がそのまま再現するのが慣わしです。
次に行われる式年遷宮はいつ?
平成25年に62回目を迎えた伊勢神宮式年遷宮ですが、次回の式年遷宮は20年後の西暦2033年です。
しかし先述したように伊勢神宮式年遷宮は8年前から始まりますので、最初の神事である山口祭が行われるのは2025年に行われます。
ポイント
- 伊勢神宮の式年遷宮は20年に一度行われ、御社殿・御装束神宝・別宮・宇治橋など、すべてが新しく作り替えられます
- 式年遷宮は、遷御の儀が終わるまで8年の年月をかけて33の祭りと行事が行われます
- なぜ行われるのかについて正式な記述はありませんが、神の降臨にふさわしい清新な神座を用意するためなど複数の説があります
- なぜ20年に1度行うのかについても記述はなく、橋や社殿に使われる用材の耐用年数など複数の説があります
- 次の式年遷宮は2033年です
伊勢神宮式年遷宮の歴史
伊勢神宮式年遷宮の歴史
天武天皇が制定 685年
伊勢神宮で執り行われる式年遷宮は約1300年前、天武天皇により20年を式年として定められた神事です。実際は次代天皇である持統天皇によりはじまりました。
この頃まで伊勢神宮は神籬という依り代や祠に天照大御神をお祀りしていましたが、第1回目の遷宮をきっかけに現在のような大規模な宮になったと言われています。
第1回持統天皇4年 690年
はじめての遷宮が行われたのは、内宮が690年に、外宮が692年のことです。以後1300年にわたり20年ごとに式年遷宮が行われるのですが、日本書紀や続日本書紀には「785年内宮の第6回目(第1回目より95年後)」と「870年外宮の第10回目(外宮第1回目より178年後)」の記述しかないことから、不明確とも言われています。
その後戦乱が相次ぎ、内宮では1462年より1585年まで123年間、外宮では1434年より1563年までの129年間、遷宮は行われませんでした。
そして慶光院周養と呼ばれる尼僧が全国を回り、勧進を行ったことで内宮が、慶光院清順と呼ばれる尼僧により外宮の遷宮が再び行われるようになります。この式年遷宮の復活には、勧進により織田信長や豊臣秀吉が遷宮費用を献納したことが大きいと言われています。
その後人々の間に神宮へ参拝する余裕が再び生まれ、現在に至るまで滞りなく行われています。
直近は平成25年 第62回
最後に式年遷宮が行われたのは平成25年(2013年)です。その前の平成17年に用材を伐りだすにあたり山口祭・木本祭・御杣始祭が行われ、平成20年には新宮を建てる地鎮祭が行われました。
そして平成25年10月に神遷しの儀式・遷御の儀が行われ、大御餞・奉幣、古物渡・御神楽を奉納し、式年遷宮が無事終了しました。
ポイント
- 伊勢神宮式年遷宮は、685年に天武天皇により20年を式年として定められた神事で、690年持統天皇によりはじまりました
- 戦乱が相次ぎ内宮では123年間、外宮では129年間、遷宮は行われませんでした
- 最後に式年遷宮が行われたのは平成25年(2013年)です
式年遷宮とは?まとめ
1300年以上の歴史をもつ伊勢神宮の式年遷宮は、五穀豊穣を祝う農耕文化に育まれた歴史や常若への祈りを表しています。それは私たち日本人が、ご先祖様より大切にしてきた思いを現代に蘇らせます。伊勢神宮式年遷宮は、ご先祖様と私たちを繋ぐ心の絆なのです。



