レイラインとは?古代遺跡を結ぶ直線
レイラインとは、直線的に結ぶように建造された古代遺跡群が描く直線のことです。
1921年にイギリス人のアマチュア考古学者、アルフレッド・ワトキンス氏が「The old straight track(古い直線路)」の中で提唱したのが始まりです。
しかし、確率論上、高密度に点在している遺跡を直線で結ぶことは容易であるため、懐疑的な意見を持つ人もいます。
レイラインの代表的な例には、世界遺産のエイヴベリーや、有名なパワースポットであるグラストンベリー・トーなどを結ぶ直線、「セント・マイケルズ・レイライン」などがあります。
天照大神に関連?「太陽の道」のレイライン
日本で有名なレイラインは、北緯34度32分の緯度線である「太陽の道」です。
太陽の道は、1973年に古代美術を専門とした写真家、小川光三氏によって「大和の原像」の中で提唱されました。
斎宮、春日宮天皇妃陵、天神山頂、国津神社、箸墓、須賀神社、日大御神社、稲荷社などを結び、そのほとんどが天照大神に関係のある寺社・霊山となっています。
もし太陽の道が本当に意図的に作られたものだとすると大規模な測量が必要となりますが、当時、高度な荘園の測量技術を持っていたとされる集団、「日置荘」の地名も残っていることから、かなり信憑性が高いと思われます。
平城京を守る近畿の五芒星
また、日本には五芒星を描くレイラインも存在します。
五芒星とは、災厄から身を守り、心身を清浄に保つ印で、陰陽師の安倍晴明によって作成、使用したとされています。
番号 | 神社・霊山 | 所在地 | 創建 |
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① | 伊弉諾神宮 | 兵庫県淡路市 | 神代(日本最古) |
② | 熊野本宮大社 | 和歌山県田辺市 | 紀元前33年 |
③ | 伊勢神宮内宮 | 三重県伊勢市 | 垂仁天皇22年(紀元前) |
④ | 元伊勢内宮 | 京都府福知山市 | 祟神天皇39年(紀元前) |
⑤ | 伊吹山 | 滋賀県米原市 | - |
表の近畿地方にある神社・霊山を直線で結ぶと、五芒星が浮かび上がり、その中心には平城京が位置します。
創建された年が、いずれも平城京が遷都される710年より前であることから、陰陽道において守護の強い場所を選んで平城京を遷都したことが伺えます。
近畿の五芒星と五行説の関係
陰陽道において、万物は、「木火土金水(もっかどごんすい)」のエレメントによって成り立つとされています。
このことから、五芒星の頂点にある神社・霊山を木火土金水に当てはめると、
番号 | 神社・霊山 | エレメント | 理由 |
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① | 伊弉諾神宮 | 火 | 伊弉諾の妻(妹)の伊弉冉がヒノカグツチを生んだため。 |
② | 熊野本宮大社 | 木 | 和歌山県の律令国は紀伊国(きいのくに)は、元々木の国であり、森林が多かったため。 |
③ | 伊勢神宮内宮 | 水 | 天照大神が鎮座した五十鈴川があるため。 |
④ | 元伊勢内宮 | 土 | 主祭神が自然神、天照大神であるため。 |
⑤ | 伊吹山 | 金 | 霊水である金明水があるため。 |
となり、これを近畿の五芒星と重ね合わせると、
このように、五行の順番通りに重ね合わせることができます。
以上のことから、陰陽道によって平城京の位置を決めたことに、より信憑性が増したといえます。