天香山命(アメノカグヤマノミコト)は、叔父の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が稲霊であるのと同様に、農業、備蓄倉の神とされています。
天孫降臨の際の32柱のうちの1柱で、熊野に住んだという記述が「先代旧事本記」に残っています。
天香山命が布都御魂の剣を授けたことにより、初代天皇である神武天皇は大和朝廷を樹立しますが、その後は越後の国を開発したといわれ、「いやひこさま」として親しまれる存在です。
この記事を読んで、そんな有難い神様の神話やご利益についてぜひ知っていただければ幸いです!
天香山命とは?
保存天香山命は、天照大御神の曾孫に当たる天孫降臨三十二柱の一柱に数えられる神様です。神武天皇の東征の際には、高倉下命の名で布都御霊を届け窮地を救った建国の功労者でもあります。投稿者:アマテラスチャンネル
天香山命は、「先代旧事本記」で天照大御神の孫である饒速日尊(ニギハヤヒコノミコト)と天道日女命の間に生まれた神とされています。
のちに神武天皇となる「カムヤマトイワレビコ」が日向の国を出発して、奈良に至り、大和朝廷を樹立する物語である「神武東征」において大きな功績を立て、大和国平定後は、越後の開拓で力を発揮したといわれています。
農業やもちろん、製塩法や網を使った漁を民に伝えるなど、現在の新潟にあたる越後を切り開いた神様として現在でも信仰を集めています。
また、子孫に熱田神宮の大宮司を務めた尾張氏がいることから、名古屋周辺でも祀る神社が見られます。
天香山命の名前の由来
天香山という名前を聞いて、まず最初に思い浮かぶのは万葉集ではないでしょうか?
万葉種では、持統天皇が詠んだ
春すぎて 夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
という歌が有名ですよね。
この天香山という山は、奈良県の橿原市にある山というよりは丘のような山ですが、もともとは天上の神々の世界にあったとされる神聖な山でした。
この天香山が2つの山に分かれて天から落ち、一方が伊予国(愛媛県)の天山(あめやま)となり、もう片方が先に述べた大和国の天香山になったと『伊予国風土記』には記されています。
神様としての天香山命は、二つに分かれる前のまだ天上の世界にあったころの天香山から、名前を得たと伝わっています。
奈良の天香山には天香山命を祀る天香山神社が建っており、藤原京の東に建っていることからも太陽を重要視する古代信仰の中において重要な存在であったことが伺えますね!
天香山命の別称
天香山命にはさまざまな別称があります。
その中でも代表的な名称をいくつか挙げておきます。
- 天香語山命(アメノカゴヤマノミコト)
- 天賀吾山命(アメノカゴヤマノミコト)
- 天香山命(アメノカヤマノミコト)
- 熊野高倉下命(クマノタカクラジノミコト)
- 手栗彦命(タグリヒコノミコト)
- 伊夜日子大神(イヤヒコノオオカミ)
- 高倉下命(タカクラジノミコト)
とくに神武天皇の東征の際の助っ人として登場する高倉下命の名は記紀でも見つけることができます。
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