天香山命の神話
それでは、記紀に登場する天香山命の逸話を見て行きましょう!
天香山命の神話としてもっとも有名なのが、神武東征での布都御霊を献上した物語でしょう。
ここで天香山命が登場する神話のさわりをふたつ紹介しますが、どちらもカギとなっているのが「倉」です。天香山命が農業とともに倉の神をされる理由がわかるのが、このふたつの神話だといっていいでしょう。
布都御霊を神武天皇に届ける
このお話は、「布都御魂」の記事でも紹介しましたが、まだ「カムヤマトイワレビコ」と呼ばれていた頃の神武天皇が日向の国から出発し、大和国で朝廷を樹立するまでの物語の中で天香山命は大きな活躍をします。
神武天皇が東征で大和に向かう途中、熊野の荒ぶる悪神の毒にやられ苦戦をしている際、同じく熊野に住んでいた高倉下命(天香山命の別名)に夢のお告げがあります。
神武天皇の軍勢を助けるために、武御雷(タケノミカヅチ)が霊剣布都御霊(フツノミタマ)を倉へ落とす夢です。
保存神となった霊剣、布都御霊(フツノミタマ)とは?ご利益や祀る神社を解説投稿者:アマテラスチャンネル
「いやひこさま」として越後の守護神となる
天香山命の活躍もあり、神武天皇が初代天皇として即位した4年後に、越後の弥彦へ天香山命は移住します。
東征の途中で立ち寄った越後の国を気に入っていた天香山命は、土地の開発に力を注ぎます。農業、漁業、製塩に酒造と次々に産業を興すのです。
この生産された貴重な食料を保存するのが倉であり、人の命をつなぐ神聖な場所と位置付けられるものでした。天香山命は、産業を起こしたと同時に、それを保存する大切さを伝えたことから農業、漁業の神だけでなく、倉の神としての信仰も集めたのです。
後の章でも紹介しますが、
現在の新潟県にあたる越後国では天香山命へ感謝を込めてお祀りするため、弥彦神社を建立し「いやひこさま」「おやひこさま」として天香山命を信仰しています。
天香山命のご利益
天香山命の御利益には以下のものがあります。
- 倉庫の守護神
- 農業
- 漁業
- 製塩
- 厄除け
- 開運招福
- 出世成功
- 病気平癒
これらは一般的なものですが、別命とされる高倉下命(タカクラジノミコト)の語呂合わせから、宝くじ当選のご利益があるともいわれています。
天香山命が祀られている神社
天香山命は、越後(現在の新潟県)を開発したことから、このエリアに祀る神社が点在しています。
それ以外にも、熱田神宮の大宮司を務めた尾張氏の祖神とされていることから、愛知県内にも、天香山命を祀る神社が見られます。


