少名毘古那神は天界でもてあまされたいたずらっ子?
少名毘古那神と大国主命との出会いは、出雲の国の美保崎といわれています。
国造りを進めようとしていた大国主命のもとへ、天之羅摩(カガミ)船に乗り、蛾の皮を身に着けて近づいてきた小人がいました。
保存大国主神(オオクニヌシノカミ)とは?出雲大社の神のご利益や神話投稿者:アマテラスチャンネル
国主命は、名を聞きますが答えないため、小さな体を拾い上げて手のひらに乗せると、ほほに跳んで嚙みついたといいます。
この小さな体でありながら向かってくる気の強さをみてただものではないと感じた大国主命は、物知りの久延毘古(クエビコ)を読んで尋ねると、「神産巣日神の子で少名毘古那神」だと教えてくれたそうです。
古事記では大国主命が、神産巣日神に真意を訪ねると「たしかに我が子だが、自分の手のひらから落ちこぼれた子」なのだといい、日本書紀では高皇産霊神が親で「自分の子だがいたずらが過ぎるため、指の間からこぼれ落ちた」といったと伝わっています。
どちらにしろ、天界の神でも持て余すわんぱくものだったエピソードだといっていいでしょう。
ただ、厄介者のように少名毘古那神を押し付けられた大国主命ですが、能力の高さと相性が良かったこともあるのでしょう。
兄弟の契りを交わすほど絆を深め、日本国を平定していきます。
鬼に食べられてしまったあと、針で突き刺し暴れ吐き出させて追い払った一寸法師の話と、国を平定する際に追い払った「荒ぶる八十神」を鬼に置き換えれば、少名毘古那神の神話に共通点が見出せます。
少名毘古那神は温泉の発見者
一寸法師のモデルというだけでなく、少名毘古那神の名を高めているのが温泉の神であるということでしょう。
大国主命が伊予の国で病に倒れたとき、湯治によって回復させたのは少名毘古那神で、この湯が日本最古の温泉といわれる道後温泉の始まりといわれています。
ほかにも箱根の湯元温泉は少名毘古那神が発見したもの奥戊掴こくもと伝わり、関東のパワースポットとされる温泉どころ、群馬県の伊香保神社のご祭神も少名毘古那神です。
また、酒蔵の神でもある少名毘古那神ですが、お酒も古代では薬の代わりとされていたことからも、医療を含め健康にゆかりが深い神だということがわかります。
神話の中では小柄な印象そのままに、子供のようないたずらをするやんちゃな神様として慕われていますが、心技体すべてに大国主命を支えた有能な補佐役という面が浮かび上がってきます。
さらにいえば、体格的に恵まれない日本人が外国人と戦う場合「柔よく剛を制す」という言葉が使われますが、その原点として今も日本人の心に根付いている神様だといっていいでしょう。
少名毘古那神のご利益
少名毘古那神は、大国主命とともに国造りの神とされているほか、穀物神、医療神、酒造の神、温泉神という神格があります。
ご利益は以下の通りです。
- 国土安寧(こくどあんねい)
- 産業開発
- 漁業・航海守護
- 病難排除
- 縁結び
- 安産・育児守護
国の根幹となる健康を支える技術、衣食住といった文化を残し、どんな相手に対しても向かっていく勇気を見せて、役割りが終わると常世の国に戻っていった欲のなさなど、現代人が忘れかけている工夫や精神的な強さといった、ご利益以外にもお参りすると学びのある神様だといえるでしょう。
少名毘古那神を祀っている神社
少名毘古那神は、ともに国造りをした大国主命と2柱の祭神として祀られているところが多く見られます。
また、温泉の神であることから温泉地のご祭神にもなっています。


