「三隣亡」とは?
「三隣亡」とは、建築関係や引っ越し、結婚式などを避けた方がよい凶日のことです。
三隣亡は「さんりんぼう」・「さんりんぼ」と読み、建築や工事を始めると、その建物だけでなく、近隣の三軒まで良くない影響が及ぶとされることから、この言葉が使われています。
「三隣亡」の由来
「三隣亡」とは、その文字から連想できるように、「三軒隣まで滅ぼす」とされる凶日の意味があります。江戸時代の古くから伝わる慣わしの一つで、六曜の仏滅と同じような扱いです。
「三隣亡」には、建築工事や契約、引っ越し、地鎮祭、結婚は避けるという通例になっています。とくに建築業界は「三隣亡」にうるさく、この日には地鎮祭や竣工式などを行いたがりません。
「三隣亡」が凶日になった理由
「三隣亡」が凶日になったとされるのは、江戸時代です。しかし、江戸時代の書物に記されている文字に「三輪宝」という言葉があります。宝という文字から凶日とは思えず、むしろ吉日なのではないか?とされますが、その通りで、当時は「倉立てよし」や「屋立てよし」とされている吉日でした。
しかし「よし(良い)」が「あし(悪い)」として、広まってしまったことから、文字も「三輪宝」から「三隣亡」と書き換えられたのです。
元々は吉日ですが、現在では不吉な日とされて根付いていますので、家を建てたり引っ越しをする際には注意しましょう。
「三隣亡」にしてはいけないこと
「三隣亡」が凶日とされているということはおわかりいただけたと思いますが、とくに「してはいけないこと」について見ていきましょう。
地鎮祭
三隣亡に地鎮祭や竣工式などはしてはいけないとされています。建物を建てることに関わる行事を三隣亡に行うことは避けられます。
地鎮祭とは、安全に建築が進むように神様にお供え物をして、お祈りをする儀式です。
マイホームをもつことは一生に一度あるかないかの大切な日です。
建築がスムーズに安全に進むように、家族が安心して暮らせるように願うためにも、地鎮祭は大切な儀式となります。ですので、このような大切な儀式を行う際には、「三隣亡」を避けることが一般的です。
建築・工事
「三隣亡」は、三軒隣まで滅ぼすという意味以外にも、「高いところへ登るとケガをする」とも言い伝えられています。
つまり、「三隣亡」の日に建築や工事を始める際には、住む人だけでなく、建築に携わっている人が危険にさらされることを警告している言葉でもあります。
土起こし、棟上げ、柱建て、建前、地鎮祭などの重要な場面では、避けるべきであると考えられています。
昔からの言い伝えであり、迷信なので気にしない人もあるかもしれませんが、建築関係の方は現在でも「三隣亡」を避けるようにしているところが多いです。
結婚式
「三隣亡」の結婚式はとくに問題ないとされていますが、結婚式の日取りも、「大安」を選ぶご家庭が多いですよね。現代では気にしない方も増え、仏滅は結婚式の費用も抑えられることから、あえて仏滅の日を選んで結婚式を行うところもあります。
しかし、結婚するとは「家庭をもつ」「一家の大黒柱になる」という責任重大な言葉があるので、三隣亡も意識しておいて損はないでしょう。結婚式は一生に一度の大切な日でもありますので「三隣亡」は避けるようにしても良いのではないでしょうか。
納車
「三隣亡」と納車は関係ありません。「三隣亡」に納車しても構わないでしょう。
納車を避けるべきは「友引」でしたね。
引っ越し
「三隣亡」の引っ越しも避けたほうがよさそうです。
引っ越すということは、「家」を住み変えるということですので、建築と関係があります。
また、引っ越しする本人が気にしなくても、「三軒隣まで悪しき影響が及ぶ」という教えから、三隣亡に引っ越してくる人を気にする家庭も存在します。
このような周りへの配慮の意味でも、三隣亡に引っ越しすることは避けたほうがよいです。