丸池様とは?
「丸池」とは、日本各地にある澄んだ湧き水や小川のため池、その池にちなんだ地名のことですが、中でも「様」がつく「丸池」はここ最近、女性に人気のパワースポットとして注目されています。
「丸池様」と呼ばれ、太古の姿を留めるその「丸池」は山形県飽海郡遊佐町の鳥海山大物忌神社境内地にあります。
鳥海山大物忌神社は古くから山岳信仰の対象として丁重に扱われてきました。そのためジブリアニメ「もののけ姫」の「アシタカ」が生まれた故郷のような原風景が残されています。鳥海山大物忌神社境内地の「丸池様」を訪ね、自然の中で「自分の中の生きる力」を感じてみたいですね。
丸池様はどうして様がつく?
現在の山形県を含む、東北と北海道地方には蝦夷の人々(現代のアイヌの人々の祖先にあたる)が5世紀(中国の「宋書」で確認されている)には存在しており、その時代には既に鳥海山は山岳信仰の対象でした。
蝦夷の人々は口承文化(文字を持たない文化)だった可能性が高く、史実を確認できる書物は残っていませんが、「丸池には神様が住んでいる」という理由から「丸池様」と呼ばれ、現在にも受け継がれた「丸池様」は遊佐町の天然記念物に指定されています。
丸池様の伝説
日本各地の逸話で「片目(隻眼)」の動物のお話を耳にしたことはありませんか。
ここ「丸池様」に住む魚たちも、実は「片目」だと言い伝えられています。
その始まりは、平安時代後期の武将「鎌倉景正」が、日本の国造りのために東北地方(奥羽)で戦った「後三年の役」で、敵の矢で右目を負傷したにも関わらず、三日三晩かけて敵を探し出し、打ち取った後、「丸池様」の湧き水で目の傷を洗い、それ以降、「丸池様」に住む魚たちは、鎌倉景正に敬意を示して自ら「片目」になったそうです。
神秘的な何かを感じる丸池様
「丸池様」は、常に湧き水が巡回していることで、水温が一定に保たれていることから、池の中の倒木は腐らずそのままの姿を留めています。
魚や蛇などが住める水質なので、不純物が限りなく少ない清らかな水と言えるでしょう。
しかし、地元には「丸池様」にまつわる様々な言い伝えが複数存在しています。
例えば、「丸池様」のご神体を荒す、または池の水を汚すと「目がつぶれる」、または「東風によって田畑が荒れる」といったものから、池に入ったり、過って落ちると二度と浮かび上がれないといった、「丸神様」を恐れ敬う内容です。
どこか恐ろしい内容ばかりですが、「丸池様の水に目をつけると良くなる」という、目に関する治癒や信仰の逸話も受け継がれているのですよ。
神様との接し方を子孫にわかりやすく伝える手段として、こうした逸話や伝承を語り継いできたのかもしれませんね。
観光で「丸池様」を訪れた際には、小さな祠にいらっしゃる「丸池様のご神体」に、敬う気持ちを込めて挨拶を忘れないようにしたいですね。
祠の近くには柄杓がありますので、池の水で手水ができます。
神秘感漂うパワースポットの丸池様
神秘感漂うパワースポットの丸池様,十一面千手観音菩薩,海禅寺
神秘のパワースポット「丸池様」いかがでしたか。
「丸池」様周辺には、十一面千手観音菩薩がある「海禅寺」、水産庁選定の歴史文化財産百選に選ばれた「十六羅漢岩」もあります。
また、旅の楽しみの一つ、ご当地グルメには特産のパプリカとササニシキ、そして鳥海山の湧き水を使った「遊佐カレー」、「かぼちゃパイ」が人気の「月光堂」店舗横の休憩所では湧き水を堪能できます。
是非、太古から生き続ける神様「丸池様」と合わせてお立ち寄りくださいね。
そしてご自分の「生きる力」を感じて下さいね。
■「丸池様」へのアクセス
住所:飽海郡遊佐町吹浦字七曲堰東56
お問い合わせ先:0234-72-5886(遊佐町企画課観光物産係)
アクセス:JR吹浦駅から車で5分 、日本海東北自動車道「酒田みなとIC」から車で25分
(箕輪鮭孵化場からは徒歩で約5分)