牛頭天王とは? 八坂神社に祀られる守護神
牛頭天王(ごずてんのう)とは、京都の八坂神社に祀られている、神道と仏教が混じりあって生まれた神仏習合の神様です。
祇園精舎の守護神とされている牛頭天王は、仏教の神様としても知られており、日本神話に登場するスサノオや薬師如来が姿を変えて現れた神であるとされています。
さらに、牛頭天王は厄除けの神様としても有名です。
牛頭天王は様々な神様と同一視される存在
「「牛頭天王図」公開、京都宝蔵寺/伊藤若冲の弟、白歳が描く」より引用
スサノオノミコトと牛頭天王
牛頭天王はスサノオノミコトと同一視され信仰されてきました。
スサノオノミコトは、備後国風土記の中の「蘇民将来」に登場し、祇園社の武塔神とされますが、これが牛頭天王と同じであるとされています。
逆に、スサノオノミコトの代わりに牛頭天王が登場する、「祇園牛頭天王縁起」という文献も残っています。
また牛頭天王は朝鮮半島から渡ってきた人々が日本に住み着き、新羅国の牛頭山信仰を持ち込んだことがきっかけで日本に広まり、どちらも気性が荒く、疫病神であったため、同一視されたとも考えられています。
スサノオノミコトと牛頭天王の共通点
- 蘇民将来の物語の中で同一視されている。
- 気性が荒い。
- 疫病神(疫病を流行らせる神)である。
インドラと牛頭天王
インドラとは、古代インドで絶大な人気を誇ったバラモン教やヒンドゥー教の神様です。
そのインドラの化身が、仏教に取り入れられ、牛頭天王になったとされています。
仏教思想の影響を受けたインドラは、中国では漢訳で帝釈天と呼ばれ、仏教の天部として崇拝されました。
インドラと牛頭天王の共通点
- インドラの化身が仏教に取り入れられた姿が牛頭天王である。
バアルと牛頭天王
バアルは、カナン地域を中心に崇められた嵐と慈雨をもたらす神様です。
牛の頭を持った神様であり、嵐と災厄をもたらす気性の荒い性格から、牛頭天王と同一視されています。
またバアルは、エジプトで崇められていた嵐の神、セトとも同一視されています。
バアルと牛頭天王の共通点
- 牛の頭を持っている。
- 気性が荒い。
薬師如来と牛頭天王
薬師如来が神様となって現れた姿が牛頭天王であるとされており、このことは、「祇園牛頭天王縁起」にも記載されています。
牛頭天王の本来の姿である薬師如来は、人々の病気を治し安楽をもたらす仏として信仰されています。
これは、牛頭天王が疫病を司る神様であり、同じく病気に関わる薬師如来とつながりが生まれたと考えられています。
今日でも、牛頭天王と薬師如来は人々に健康と平和をもたらす存在として共に信仰されています。
薬師如来と牛頭天王の共通点
- 祇園牛頭天王縁起の中で同一視されている。
- 病気に関わりがある。
牛頭天王は八坂神社の守護神
(八坂神社)
牛頭天王を祀る八坂神社は、もともと祇園神社という名前でした。明治時代の神仏分離令によって八坂神社と名前が改められました。
祇園という名前の由来は、インドにある祇園精舎という寺院で、釈迦はここで説法を行っていました。
その祇園精舎の守護神が牛頭天王であるとされています。そして、祇園精舎の守護神である牛頭天王を祀る神社であるということから、祇園神社という名前がつけられたのです。
また、牛頭天王とスサノオに対する信仰は祇園信仰と呼ばれています。この名称も祇園精舎に由来します。
その歴史は古く、西暦656年までさかのぼると言われています。
祇園信仰に基づく祇園祭も同様に古い歴史を持っています。869年に全国で流行した疫病を牛頭天王の祟りであるとして、牛頭天王を祀り疫病退散を願ったのが始まりであるとされています。



