モルモン教とは?その特徴について
モルモン教とは
日本では仏教、アメリカでは、キリスト教のように、国によって主な宗教が決まっています。
しかし、主たる宗教から生まれた分派的な宗教もありますよね。モルモン教もそのひとつとなります。
モルモン教は、正しくは「末日聖徒イエスキリスト教会」と言い、キリスト教の一派となります。会員数は、全世界に1400万人以上、日本でも数十万の会員がいると言われています。また、宗教と言えば、教えを説いた経典が重要となりますが、モルモン教の経典はモルモン書と言い、聖書とは違う経典を用いています。モルモン教は、キリスト教の旧約聖書や新約聖書と並ぶ位置にモルモン書があることから、少し独自の道を歩んでいる宗教となっています。
ポイント
モルモン教とキリスト教の関係
モルモン教とキリスト教の関係
モルモン教は、単にキリスト教の一派ということではなく、そもそも「神」という事柄に対する考え方が違います。
神に対する考え方の違いは、下記のようになります。
- キリスト教:唯一神
- モルモン教:人間がなるもの
宗教にとって、崇める神は重要なものですが、モルモン教では、そもそも崇めている神が曖昧なものとなっています。
モルモン教はどうやって生まれたのか
モルモン教の設立
モルモン教は、ジョセフ・スミス・Jrが金版をニューヨーク州で発見したことがきっかけで誕生したと言われています。
ジョセフは、金版に書かれていた古代文字を解読し、そこに書かれていた予言を「モルモン書」として、教団を設立しました。また、設立者のジョセフが「どこにも属してはいけない」という掲示を神から受け取ったと言われていることから、他の宗教とは少し違った戒律や考え方を持った宗教となっています。ちなみに、モルモン教は1830年に設立されているので、仏教やキリスト教などのメジャーな宗教に比べると歴史は浅いですが、意外と歴史のある宗教です。
モルモン教の独特な戒律
モルモン教の戒律
多くの宗教には、戒律がありますよね。モルモン教も例外ではなく戒律がありますが、他の宗教より条件が厳しいものや独特なものとなります。特に、性に関する戒律とお金に関する戒律は、モルモン教の特徴的な戒律となっており、現代社会では中々考えられないものも多くあります。
ポイント
性に関する戒律
性の戒律
モルモン教では、「性行為=子孫を残すための行為」と捉えていて、生殖に当たる行為は、神聖なものという考え方が強く表れています。
そのため、性に関する戒律は、下記のようなものがあります。
- 「婚前交渉の禁止」
- 「避妊の禁止」
現代社会では中々考えられないような戒律となっていますが、モルモン教徒になると、上記の戒律を守る必要があります。
お金に関する戒律
お金の戒律
お金に関するモルモン教の戒律は、「給料の10%をお布施として収める」というかなり独特なものになります。
世界の宗教を見ても、これほどお布施を収めている宗教は少ないと思います。また、宣教のお金は、基本的に会員が負担することが多くなるようですので、モルモン教徒は、お金に関して厳しい状況になることも多いといわれています。
食に関する戒律
食の戒律
食に関するモルモン教の戒律は、依存性の高い成分が含まれているものや依存性の高いものは基本的にNGです。
例えば、たばこやアルコール類は、依存性が高いので、NGとなりますし、カフェインもNGとなっているため、コーヒーや紅茶も飲むことができません。ただ、治療に関する場合については、大目に見られています。
日本人にとって、「たばこやアルコールはダメ!」「コーヒーや紅茶もダメ!」なんて生活は中々考えられないのではないでしょうか。
服に関する戒律
服の戒律
モルモン教の服に関する戒律は、ガーメントと呼ばれる衣類の着用となりますが、全員ということではなく、儀式を受けたモルモン教徒のみとなります。
ガーメントは、膝丈くらいの白く、薄い肌着で、基本的に上半身は、Tシャツの着用になります。また、ガーメントからはみ出る衣類の着用は禁止となっているので、女性は、オシャレができないことが難点となります。ちなみに、モルモン教では、宣教活動の服装も下記のように決まっています。
- 男:スーツ、白いシャツ、ネクタイ
- 女性:フォーマルドレス
もし戒律を破ったら?
戒律を破ったら
モルモン教徒が、もし戒律を破ってしまったらどうなるのか気になる人も多いと思います。
結論を先に言うと、モルモン教では、戒律を破った程度によってペナルティーが異なります。一番重いペナルティーは「破門」、次いで、「会員資格の剥奪」「会員資格の停止」「観察処分」となっています。
命に関わるペナルティーはありませんが、熱心な信者にとっては、「破門=死に等しい罰則」と考えられるので、命に関わらないとはいえ、大変厳しい罰則と考えることができます。
モルモン教徒の有名人
モルモン教徒の有名人
戒律を見ると厳しそうなモルモン教ですが、有名人の中にもモルモン教徒と言われている人達がいます。モルモン教徒と言われている有名人は、下記のような人達です。
- ケント・デリカット(タレント)
- 斉藤 由貴(女優)
- 斉藤 こず恵(女優)
- 飛鳥 昭雄(漫画家、小説家など)
上記の他にも、海外の有名な映画監督やプロデューサー、実業家などもモルモン教に入信していると言われます。
モルモン教はキケン?
モルモン教はキケン?
モルモン教の戒律を中心に説明してきましたが、モルモン教は入信しても大丈夫な宗教なのでしょうか?
日本では、オウム真理教という宗教団体が、地下鉄サリン事件を起こすなど、宗教単位の犯罪があったため、宗教に対して慎重になる人も多いですよね。宗教の中には、過激なものもあるので、入信する前に、キケンかどうかの判断をする必要があります。
結論からいえば、モルモン教自体は、独特な戒律があるものの、それほどキケンな宗教ではありません。と言うのも、どの宗教を見ても基本的に戒律はありますし、モルモン教の戒律は、破ってしまった場合でも命に関する罰則はありませんので、生命の危機に陥ることがないからです。
ただ、宗教自体が、深くはまることで洗脳に近い状態になる場合もあるので、注意は必要かもしれません。
ポイント
- ・宗教なので、洗脳に近い状態になることもある
モルモン教まとめ
モルモン教について紹介してきました。
モルモン教は、キリスト教の一派とされていますが、キリスト教とは神に対する考え方が違います。
また、戒律は、特徴的なものが多くなり、特に、お金に関する戒律は、厳しいものとなっています。キケンな宗教ではないので、モルモン教に入ること自体は問題ないと思いますが、入信するときは、戒律を守る必要があることを考えておいてください。
ちなみに、モルモン教に限らず、宗教に入るときは、その宗教のことをよく調べておくことをオススメします。
よく調べずに宗教に入ってしまうと、キケンな目に遭ってしまう可能性もあるので、注意するようにしてくださいね。