黒猫が目の前を横切ると縁起が悪いって本当??
「黒猫が目の前を横切ると縁起が悪い」。
この言葉、一度は聞いたことがあるかもしれません。果たしてそれは本当なのでしょうか?
実は、日本では昔から「幸運」の象徴だった「黒猫」。「黒猫不吉説」は、嘘?「幸運のサイン」って本当?その真相を解明していきます。
黒猫のスピリチュアル的な意味とは?
日本では黒猫のスピリチュアルな意味は「幸運、商売繁盛」の象徴
日本で黒猫は「福猫」として、幸運、商売繁盛の象徴でした。「招き猫」は日本人に浸透していますよね?
実は、黒猫の招き猫には、魔除けや厄除けの意味があります。
日本人に「黒猫=不吉」のイメージが入ってきたのは、欧米の影響だと言われています。
欧米の中でも特に、“魔女文化”の記憶が根強い地域では、「黒猫=魔女の使い=不吉」として忌み嫌われている地域もあります。
しかし、「幸運の象徴」として解釈されている国や地域も実は多いのです。
ここでは、黒猫へのイメージやとらえ方の違いを、いくつかの国を挙げて見ていきます。
①黒猫の持つスピリチュアルな意味【イギリス】
イギリスでは黒猫のスピリチュアルな意味は「幸福」
イギリスでは猫そのものが、強い生命力・パワーの象徴としてとらえられています。
魔女文化は中世ヨーロッパに起源があるため、もちろんイギリスにも伝わっていますが、イギリス人は黒猫が通り過ぎると「ラッキー!」ととらえるようです。
これは、「不吉と考えられている黒猫が自分の前を通り過ぎた!」=「自分からも悪いことが離れていった!」という意味。
逆に白猫が横切ると縁起が悪いと言われているそうです。
②黒猫の持つスピリチュアルな意味【イタリア】
イタリアでは黒猫のスピリチュアルな意味は最近まで「魔女の使い、不吉」
なんと最近まで、年間数万匹の黒猫が殺処分されていました。
「黒猫=魔女の使い=不吉」という考えが根強く定着していたのですね。
動物愛護団体の活動により今はその習慣はないようですが、黒猫に対する行いを改めるため、11月17日を「猫の日」と制定しています。
③黒猫の持つスピリチュアルな意味【スコットランド】
スコットランドでは黒猫のスピリチュアルな意味は「妖精の化身、幸運をもたらす」
黒猫は“妖精の化身”で幸運をもたらすとされ、黒猫が横切ると幸せが訪れる、と言われているそうです。
また、ニュージーランドでも同じく妖精の化身とらえられています。
④黒猫の持つスピリチュアルな意味【フランス】
フランスでは黒猫のスピリチュアルな意味は「魔法の猫」
黒猫は“魔法の猫”と呼ばれ、エサを与え敬意をもって接する飼い主には幸運をもたらす、とされています。
黒猫の存在感が人々に与えた役割とは
かつては古代エジプトをはじめ各国で黒猫は「崇拝の対象」だった
これだけを見ても、忌み嫌われている地域ばかりではないということが分かります。
古代ヨーロッパでは元々、黒猫は崇拝の対象ですらあり、神聖で神秘的な存在でした。
キリスト教の布教や魔女狩りの本格化によって“不吉”のイメージがついた地域があるものの、
それほど人々が黒猫に強いパワーを感じていたということでもあり、人類の歴史に一役買った存在だと言えます。
黒猫は昔から幸運のサインとされてきた?
夏目漱石は妻が「福猫」として飼っていた黒猫を眺めながら執筆した
では、日本ではどうでしょうか?
かの有名な「吾輩は猫である」、作者の夏目漱石は黒猫を眺めながら執筆したそうです。漱石の妻が「福猫」として黒猫を飼っていたからです。
江戸時代に結核が流行った時には、「黒猫を飼うと結核が治る」という説も人々に流れていました。
そもそも猫は夜行性で、“暗闇の中でも先を見通せる”生き物。その、“あらゆるものの見通しがきく”という観点から「福猫」とされてきました。
1843年に発表されたエドガー・アラン・ポーの短編「黒猫」により日本人にも不吉なイメージがついてしまった、とも言われています。
(私自身この小説を子供のころ読みましたが、そこに描かれていた黒猫の恐ろしいイメージは未だに記憶にあります。)
その後1989年公開の「魔女の宅急便」の黒猫“ジジ”の愛らしさにより、日本人の黒猫への潜在意識はだいぶ和らいだのではないかとも思います。
まとめ〜スピリチュアル的に幸運を意味していた黒猫~
黒猫の持つスピリチュアルな本当の意味とは?
私たちは、「黒猫」という存在を通して、何を見ているのでしょうか。
人間は、自分の見たいように世界を見て解釈しています。
気分が沈んだ時にたまたま黒猫が横切ってドキッとすれば「不吉な予感」を感じ、気分が穏やかな時に黒猫が横切ればそのふわふわした見た目と可愛らしい仕草に「可愛い」と感じて愛でる。
このように、感情に合わせて解釈を変えているのが人間だ、という“そもそもの前提”があります。
黒猫の瞳が、つぶらな愛らしい瞳に見えるのか、すべてを見透かしたような鋭い瞳に見えるのか。
それはあなた次第でもあるのです。