裏拍手とは?その意味について
おめでたいことや誰かを讃えたいとき、また、神社にお参りしたときなどに私たちは拍手をします。
しかし、手のひらではなく、手の甲同士で行う拍手は裏拍手と呼ばれ、通常の拍手とは異なる意味を持ちます。
裏拍手とは手の甲で行う呪いの拍手
この手の甲同士を合わせる拍手を、手の裏同士で行う拍手ということで「裏拍手(逆拍手)」といいます。人に賛辞を送ったり、相手を祝福したりするために使われる拍手であることに変わりはないはずなのにおすすめではないのは、実は裏拍手とは逆に人を呪うための拍手であるためです。
特に生きている人が相手に対して行う場合は、相手に対する妬みや恨みの意味もあるとされています。実は裏拍手に限らず、普通とは逆に動作を行う場合は死者などに対して行う動作でよく使われるものです。これは「逆さ事」と呼ばれ、あの世はこの世とはすべてがあべこべであるという考え方に基づいています。例えば、亡くなった方に死装束を着せる場合は左前にするという作法がその良い例です。
裏拍手は死者の手招きを意味する
裏拍手は未練を残した死者からのお誘い
また、裏拍手は基本的にはこの世に未練を残して亡くなった人が、楽しく有意義に生きている人を招く意味もあります。つまり、未練を残してこの世にさまよっている死者の霊が寂しさや恨み、憎しみの念から、対象となる人に「早くこっちにおいで」と言わんばかりに行う拍手です。
一説では、海などで水死した人の亡霊が生きている人を道連れにするために水中に引き込んだ際に、新しい仲間ができた喜びを表現する際に裏拍手をするともいわれています。水死した人の霊の場合は、水中で溺れて亡くなった結果、両手の手のひらが膨らんでいて拍手をしようにも音がうまく響かないために、手のひらの代わりに甲をたたいて拍手するというものです。
ポイント
- 裏拍手とは、相手を呪う意味のある拍手
- 裏拍手は未練のある死者が相手を道連れにしようとする際に使われる
裏拍手(逆拍手)の怖い話を紹介
実は裏拍手については、巷で有名な怖い話が実際に存在します。
大阪のあるお笑い芸人がある夏の晩に彼女を連れて、地元で有名な心霊スポットを巡るドライブに出かけました。彼女は非常に怖がりな性格であったため、心霊スポットを巡ることを嫌がっていましたが、芸人の方は彼女の怖がるさまを面白がりながら心霊スポットを巡っていました。
2ヶ所ほど巡ったときに芸人は怖がる彼女に向かって、「今度行く3ケ所目が本当に怖いぞ!」と怖がる彼女の反応を面白がりつつも楽しそうに言いました。すると、それまで怖がっていたはずの彼女の態度が変わっていて、逆に非常に乗り気になっていました。
彼の方も彼女がようやく楽しんでくれるようになったと思いつつ、4ヶ所目に行く場所として指折りの心霊スポットであるトンネルに連れて行こうとします。それを聞いた彼女がこれまでになく非常に乗り気な態度で拍手までしましたが、その時の拍手が普通のものではなく手の甲同士をたたく裏拍手だった、というものです。
ポイント
- 裏拍手については非常に知られた怖い話がある
- カップルで心霊スポット巡りに出かけ、怖がっていた彼女が次第に乗り気になり裏拍手をしていた、という内容