阿字観(あじかん)とは?真言密教の瞑想法
「阿字観」とは弘法大師空海が伝えた真言宗に伝わる瞑想法です。
真言宗は真言密教とも言われ、真言宗に伝わる教えや内容は一般的には非公開とされていました。それが近年一般の方にも公開されるようになり、阿字観は瞑想法の一種として知れ渡っていくようになります。
阿字観の阿字が意味するものとは
阿字観の阿字は、真言宗のご本尊である「大日如来」を意味しています。
大日如来は宇宙の真理の象徴であり、すべての源であるとされています。そのため阿字観の「阿字」もすべてを超越したあらゆる真理そのものとして表されます。
大日如来を意味する「阿字」は、大日如来を信じ、悟りを求める心を持って努力をすれば、真理を知ることができると教えています。
阿字観を実践するには
初めて阿字観を実践するときは、阿字観の指導者に教えてもらいながら行いましょう。
最近だと寺院で阿字観の体験会が開かれることも多くなったため、昔に比べるとかなり体験しやすくなっています。各寺院によって体験内容は様々ですが、中には宿泊を兼ねたり、阿字観流の食事を味わうことができる体験もあるので、ぜひ一度参加してみてください。
阿字観のやり方
必要な道具
必要な道具
- 阿字観本尊(阿字観の掛け軸)
- 座布団
- 塗香(無くてもOK)
阿字観を行うときに必要な道具は、阿字観本尊(阿字観の掛け軸)、座布団、塗香です。
座布団は姿勢の安定感を保つために三角または半分に折っておしりの下に敷きます。座布団がない場合は厚めのタオルやクッションなどを用意し、代替えとして使っても大丈夫です。塗香は穢れ払いとして塗るため、必ずというわけではありません。
やり方
阿字観のやり方は次の通りです。
| 阿字観のやり方 | |
| 1、塗香を身に着けて身を清める | 阿字観をする部屋に入る前に、塗香を体につけて身を清めます。 |
| 2、阿字のご本尊様に敬意を払い最上の礼をする | 阿字のご本尊様に五体投地三礼(ごたいとうちさんれい)をします。 右ひざ、左ひざ、右ひじ、左ひじ、額の順番で床につけ、両手の指先を少し上にあげます。 この礼拝を3度行います。 |
| 3、様々な合唱とご真言 | 真言を唱え、自身の心を落ち着かせていきます。 合唱や真言を唱えていくことで、瞑想への準備がしっかりできていきます。 |
| 4、姿勢を整える | 瞑想の準備に入っていきます。 姿勢は、結跏趺坐(けっかふざ)や、半跏趺座(はんかふざ)をくみます。 安定感を保つために座布団を折り、おしりの下に敷きます。 手は、左手のひらの上に右手のひらを重ね、親指をくっつけるという法界定印(ほっかいじょういん)を組みます。 ※足の悪い方は無理をせず椅子に座りましょう。 |
| 5、呼吸を整える | 瞑想に入る前に呼吸を整えていきます。 まず数回深く呼吸をします。その後、体の中の気を吐き出し、息を吸うときは鼻から清いものが入ってくるイメージで、清浄な気を自分の中に取り込みます。 この清浄な気は細い糸のようにイメージしましょう。 この呼吸法を何度か繰り返します。 |
| 6、阿字観による瞑想 | ゆっくりと呼吸をしながら、目の前にある阿字観本尊を見つめていきます。 ご本尊様と、自分自身とが一体となっていくことをイメージしましょう。 まず、梵字の「阿字(阿)」が自分の胸に入ってくるようなイメージをします。そして胸の中の「阿字(阿)」を徐々に大きくしていきます。最初は自分の身体を包み込むようなイメージで、その後今いる部屋の大きさに、世界に、宇宙全体にと、最後は大日如来を感じとっていきます。 しばらく時間が経った後、大きくなった「阿字(阿)」を小さくしていきます。宇宙から世界、日本、今いる部屋の大きさへとだんだん小さくしていき、最終的には自分自身の体に戻っていきます。 |
| 7、瞑想から戻る所作 | 合唱した手を頭上にあげ、体の側面を通して膝の横まで下ろします。 息を吸いながら手を挙げ、息を吐きながら手を下ろします。これを三度行います。 |
| 8、ご本尊様に敬意を払い最上の礼をする | 最後に、五体投地三礼(ごたいとうちさんれい)で締めくくりして終わります。 |
こちらは初心者向けの阿字観ですが、上級者向けの阿字観は、初級の阿息観と中級の月輪観をマスターしたあとに取り掛かる阿字観です。
阿息観と月輪観をマスターすることで集中力が深まり、さらに深い瞑想へと入っていくことができます。
なお、上級者向けの阿字観はとても深い瞑想となるため、不思議な境地に陥ったり、混乱したりするような場合もあります。上級者向けの阿字観を行う場合は寺院やしっかりとした指導者の元で行いましょう。



