「ファムファタール」の意味とは?
ファムファタールとは、フランス語で男性にとっての「運命の女(宿命の女)」を意味し、男性を破滅的な運命へ導いてしまう女性のことを指します。
ファムファタールは芸術作品と結びつきが強く、多くの画家がこのファムファタールを題材にした絵画を描き、19世紀末のヨーロッパでファムファタールに似せたファッションや化粧が流行したり、演劇では古くは新約聖書を題材にした「サロメ」が有名です。
また、日本文学でもたくさんの作家がファムファタールに翻弄される男の人生を描いています。
今回はそんなファムファタールについて詳しく解説します。
ファムファタールの辞書的な意味
辞書によってファムファタールは様々な解釈がされています。では、どのような意味があるのでしょうか。
例えばフランスの教育者であるピエール・ラルースによって作られたラルース大辞典では、ファムファタールを「恋心を寄せた男性を破壊させる為に、まるで男性がのめり込むかのように運命が送った魅力的な女性」と表現しています。
また、大辞林や日本語大辞典では妖婦・悪女と解釈し、いずれにしても、男性にとって危険だと知ってか知らず、いつの間にか夢中になってしまう女性のことを表しています。
「ファムファタール」という言葉の由来は?
ファムファタールはフランス語で「femme fatale」が由来とされています。「femme」は「女性、妻」を意味し、「fatale」は死をもたらすような致命的な運命を指します。
「fatale」の語源はイタリア語で妖精を意味する「fata」から来たもので、一説によればファムファタールとは、男性は女性に良妻賢母を求める一方、心理的にも肉体的にも魅力的な悪女を求める男性心理の矛盾を反映した存在であるとしています。