ファムファタールが登場する作品について
芸術や神話などでもファムファタールは古来より親しまれてきました。どのようなものがあるのでしょうか。
文学のモチーフとしてのファムファタール
語源から、ファムファタールが登場するのはフランス文学のイメージがありますが、日本文学にも登場します。
例えば、夏目漱石の「こころ」に出てくるお嬢さんです。お嬢さんはKが自分に恋をしているのを知っているのにも関わらず、「K」と先生の間で態度を決めないまま二人と接し、結局先生との結婚を決めます。Kには先生の口から事前に結婚を知らされず、下宿所にいた未亡人から知らされ、結局Kは自殺してしまいます。
先生がお嬢さんやKを見て嫉妬心を抱いたこともありますが、先生は信頼して恋の相談してくれたKを裏切り、死に追いやってしまったのは自分ではないのかと深く後悔します。結局お嬢さんは、二人の男性を破滅の方向に追いやってしまうのです。
文学においては典型的な悪女としてファムファタールが登場し、主人公や周囲の人物をかき乱す行動をとり、殺人を犯しもしますが、物語の主軸として活躍することがほとんどです。
また、その他にも谷崎潤一郎の「痴人の愛」に登場するナオミなども有名なファムファタールです。
絵画のモチーフとしてのファムファタール
ご紹介した「モナリザの微笑み」のリザ・デル・ジョコラントのように、絵画の分野でもファムファタールをモデルとした作品は幾つもあります。
その中で有名なのがグスタフ・クリムト作の「ユディト」です。ユディトは旧約聖書に登場する女性で、色仕掛けによって祖国の危機を救います。具体的には敵将ホロフェルネスへ色仕掛けをし、ホロフェルネスが油断した隙に首を切り落としたのです。
一見清楚にみえますが、首を持っているユディトの絵画は肌を露わにし恍惚な表情を浮かべ魅惑的ですが、危険な香りがする絵画でもあります。
まとめ
ファムファタールは男性の心を刺激し、破滅の人生になっても尚愛される、魅力的な女性です。
フランス文学や日本文学などにはファムファタールを題材にした作品が沢山ありますので、この機会に読んでみるのはいかがでしょうか。ファムファタールに巻き起こされる登場人物の数奇な人生を疑似的に体験できます。


