満年齢とは?
満年齢とは、生まれてから過ごしてきた(生きてきた)年数のことで、誕生日の生まれた時間に1歳年を重ねるというのが一般的です。「満何歳」や「○歳」という書き方がされます。
しかしながら、満年齢には法律でさだめられた定義があります。この定義に則って年齢を計算すると、誕生日に年齢を+1歳するという考え方と若干異なる場合が出てきます。
この若干異なる場合とは、どのようなことなのか、法律で定められている満年齢の定義を参照にしながら考えていきます。
定義は法律で決められている
満年齢を定める法律は、1902年(明治35年)12月2日公布、同月22日施行されました。
この満年齢の法律には、次のような内容について書かれています。
- 年齢は出生した日より計算する
- 民法第143条の規定に当てはめて、年齢の計算をすること
- 国民に知らせてあった明治6年第36号については、この法律の公布、施行に合わせて廃止とする
満年齢の数え方・計算方法について
満年齢を定める法律によると、満年齢は誕生日を迎える前の日の24時にこれまでの年齢に+1歳することになります。
【例:2011年11月25日17時生まれの人が2019年に誕生日を迎えた場合】
- 一般的な考え方
2019年11月25日17時になった地点で、満8歳
同時に、これまで生きてきた年数も8年
- 満年齢を定める法律による考え方
2019年11月24日24時になった地点で、満8歳
2019年11月25日17時になった地点で、これまで生きてきた年数が8年となる
ここで、満年齢の計算の仕方について解説します。
- 今年まだ誕生日を迎えていない場合:今年の西暦ー(誕生日の西暦+1)
- 今年すでに誕生日を迎えている場合:今年の西暦ー誕生日の西暦
例えば、1994年4月25日生まれの場合
- 今日が2014年2月4日:2014-(1994+1)=19(歳)
- 今日が2014年7月9日:2014-1994=20(歳)
となります。
数え年との違いについて
数え年は、生まれた時点で1歳となります。次のお正月が来た時点で+1歳され、2歳となります。日常では、満年齢で答えることが多いため、いざ数え年を算出しようとすると分かりにくく混乱しやすいのではないでしょうか。
混乱しやすい原因として、数え年の算出方法がよく分からないということがあげられます。そこで、数え年の算出方法を紹介します。
- 数え年を知るために必要なこと:自分の満年齢
数え年の出し方
- 1月1日~誕生日前まで:満年齢+2歳
- 誕生日~12月31日まで:満年齢+1歳
ここで2016年1月1日生まれ・4月28日生まれ・12月31日生まれを例とした場合の満年齢と数え年の一覧です。
年 | 2016 | 2016 | 2016 | 2017 | 2017 | 2017 | 2017 | 2017 | 2018 | ||
月日 | 1月1日 | 4月28日 | 12月31日 | 1月1日 | 4月27日 | 4月28日 | 12月30日 | 12月31日 | 1月1日 | ||
2016 | 1月1日生 | 満年齢 | 0歳 | 0歳 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | 2歳 | 2歳 |
2016 | 1月1日生 | 数え年 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 3歳 |
2016 | 4月28日生 | 満年齢 | 0歳 | 0歳 | 0歳 | 0歳 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | |
2016 | 4月28日生 | 数え年 | 1歳 | 1歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 3歳 | |
2016 | 12月31日生 | 満年齢 | 0歳 | 0歳 | 0歳 | 0歳 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | ||
2016 | 12月31日生 | 数え年 | 1歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 2歳 | 3歳 |
数え年の場合、誕生日が1月1日の人と12月31日の人とでは、生まれてから1年違いがあるものの生まれた翌年からは同じ年齢になるということが分かります。
また、誕生日が12月31日のように年末に近い生まれの場合、満年齢と数え年とでは、2歳もの年の差が出来るため、混乱しやすいのもうなずけますね。
満年齢を使う場面
以前は日本でも、数え年で計算することが主流でした。しかしながら、現在は、日々の暮しや公の場面など満年齢で計算することが多くなりました。
そこで、満年齢が必要になる場合についてみていきます。
履歴書や学校の学年
就職活動などに必要な履歴書や通帳を作るとき、免許証をとるときなど、様々な場面で年齢を書くことになります。この場合に記載する年齢は、満年齢です。公な書類も満年齢を記載することがほとんどです。
学校の学年も満年齢で計算して決められています。このとき、4月1日生まれの子は早生まれとして、1年上の学年になります。
4月1日生まれの人
4月1日生まれが1学年上になる理由として
- 小学校など学校の1年間が4月1日~翌年3月31日まで
- 満年齢は誕生日の前日24時に一つ年齢を重ねる
ということがあげられます。
【例:2014年4月1日生まれ・2020年に6歳になる子】
- 2014年4月1日生まれの場合、2020年3月31日24時に満6歳となる
- 学校教育法で定められている内容によると、満6歳になった日以後の初めの学年から入学する決まり
- 6歳になった日は2019年4月1日~2020年3月31日に含まれる
- よって2013年4月1日生まれは、2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)に小学校に入学することとなる
厄年や七五三は満年齢ではなく数え年を用いる
厄年や七五三など、日本に古くから伝わる行事については、数え年を用いることが慣習として残っています。また、還暦のような年祝いや人が亡くなった時に聞く享年も数え年であることがほとんどです。
しかしながら、最近では七五三や年祝い、享年などにおいて数え年でなく満年齢で行うことも増えてきています。そのため、神社やお寺、また状況によってどちらの年齢を用いる必要があるかを確認して使用するようにしましょう。