覚悟が必要、生涯独身という生き方
昔であれば、男性であれば「結婚して所帯を持ってこそ一人前」、女性であれば「結婚してこそ幸せ」といわれていたように、社会的にまっとうとみなされる生涯を送るうえで結婚は不可欠な条件とされていました。しかし、現代では価値観や働き方が多様化している影響もあって、絶対に結婚しなければいけないという考え方が古いものとなってきています。
中には「生涯独身でも良い」と決めている方も少なくありません。『平成27年版厚生労働白書』によれば、20代・30代の未婚の男性会社員300人のうち41.7%が一生独身でも良いという回答結果が出ています。男性に関するデータですが、女性でも生涯未婚で構わないという方は少なくありません。
実際、生涯独身は普通の価値観からすれば負け組の生き方と主張する方も少なくありません。しかし、生涯独身という生き方もメリットがないわけではなく、また過去に生涯独身を貫いた偉人も多いです。
そこで今回は、生涯独身という生き方にスポットを当てて、生涯独身で生きている人々の特徴や生涯独身を貫いた偉人、生涯独身につきもののメリットやリスクなどを取り上げていきます。
生涯独身というスタイル
生涯独身もかっこ悪いわけではない
生涯独身でいることとはいったいどういうことなのでしょうか?まずはこの点について考えてみましょう。
独身でいることとは、つまりパートナーである配偶者がいない状態を指しますが、生涯独身となればこの配偶者がいない状態を最期を迎える時まで続けることに他なりません。
ただし、生涯独身でいることは孤独とイコールになるとは限りません。結婚しない状態のまま兄弟姉妹やそのパートナー・子供と一緒に暮らし続けることもできますし、結婚はしないまでも一生特定の恋人や友人と親交を保ち続ける生き方もあります。
加えて、生涯独身でいることで、パートナーとの共同生活がない分、自分の思い通りに過ごせる時間が大幅に増えるでしょう。これらの点から考えると、世間一般でいわれるような生涯独身=孤独と背中合わせというわけでもなく、加えて人によっては気ままに自分らしく生きることができる選択肢の1つであるともいえます。
生涯独身の人の割合(生涯未婚率)
高くなり続ける生涯未婚率
生涯独身について考えるうえでどうしても欠かせない数値として、生涯未婚率と呼ばれるものがあります。生涯未婚率とは「50歳の時点で一度も結婚したことのない人々の割合=ずっと独身でいる割合」を意味する数値のことです。
1985年時点での生涯未婚率は男性・女性ともに約4%でした。しかし、90年代には男性の方が急上昇し始め、2000年代に入ると女性の方も急激に上昇しています。現時点(2015年)の生涯未婚率は男性で23.4%、女性で14.1%で、今後とも上昇する予想さえも出ている状態です。
生涯未婚率が2000年代以降に急上昇した原因として経済的問題が指摘されていますが、それ以外にもインターネットの普及や価値観の変化を挙げる声も少なくありません。
生涯独身の人の特徴
生涯独身でいる人とは?
それでは、生涯独身を貫く人たちの特徴としてどのような点が挙げられるのでしょうか?ここでは、生涯独身を貫く人の特徴を男性と女性のそれぞれで見ていきましょう。
生涯独身の男性
生涯独身の男性の特徴とは?
まず男性で生涯独身の人たちから見ていきましょう。彼らに見られる特徴として主に3つ挙げられます。
最初にマイペースであるという点です。具体的には他人のために時間を割くよりも自分のために時間を使うことを優先したり、自分の趣味に没頭していたりするといえます。内向的とも言い換えられるでしょう。
次に、自分のことをすべて自分でこなすことができるという点が挙げられます。一人暮らしをしているため、自分の食事や家の掃除、洗濯など家事についても困ることがありません。この場合、結婚して女性の配偶者を得るメリットがないと考えている人や、逆に実家住まいでなかなか結婚に踏み出せない人が多いといえます。
3番目の特徴として、結婚に対する理想があまりにも高いという点が挙げられます。年齢的に若く、性格や外見が良く、年収も高いなどといった、あれこれ望みすぎて逆に出会いのチャンスをつかめないパターンです。
生涯独身の女性
生涯独身の女性の特徴とは?
次に女性で生涯独身の人物の特徴を見ていきましょう。こちらも主に見られるものとして3点とりあげていきます。
まず、男性と同じように1人で何でもこなせるという点です。やはりこちらも一人暮らしをしていて、炊事に掃除に洗濯と家事をそつなくこなしてしまうため、男性と結婚しなくても特に困らないと感じる傾向といえます。
次に、結婚相手の条件で高望みしすぎる点も見逃せません。昔は「三高(高身長、高学歴、高年収)」という結婚相手の男性の基準がありましたが、自分の現実を考えることなく三高並みの高望みをする女性ほど、生涯独身に陥る場合が多いです。
3番目はしっかり者すぎる点も特徴といえます。これは、経済的にも精神的にも自立していて、中にはキャリアウーマンといえるほど確固たる立場にいるような女性によく見られるパターンです。あまりにも完璧すぎて逆に男性の側が近寄りがたくなる傾向で、結果として女性本人が生涯独身になる、もしくは女性自身が生涯独身で生きていこうと考えているといえます。