アメノウズメの物語
古事記において、アメノウズメは「天岩戸隠れ」と「天孫降臨」の物語に登場します。ここでは、アメノウズメの物語について紹介していきます。
岩戸隠れ、踊りで世界に光を取り戻す
天照大御神の弟・須佐之男命(スサノオノミコト)は、高天原で乱暴狼藉の限りを尽くしてしまいます。
弟の行動を恥じた天照大御神は、悲しみにくれてしまい、天岩戸という洞窟に引隠れてしまいます、太陽を司る天照大御神が引きこもったことによって、世界は闇に覆われ、不吉なことばかり起こるようになりました。
神々は天照大御神を洞窟から出すために、知恵の神である思金神(オモイカネ)の指示に従い、岩戸の前で楽しく宴会を開きました。このとき、アメノウズメはふせた空の桶の上に立ち、激しく踏み鳴らしながら踊り、神々を笑わせて場を盛り上げます。
天照大御神は、外から楽しそうな笑い声が聞こえてくるため、岩戸の隙間から「外が暗いのに、何がそんなに楽しいの?」と神々に尋ねました。
すると、アメノウズメが「あなたよりもご立派な神様が現れたのですよ。」と答えながら八咫鏡を見せ、天照大御神が鏡に映った自身の姿に見とれているうちに天手力男神(アメノタヂカラオ)が引っ張り出しました。こうして、世界は光を取り戻します。
天孫降臨で夫となる猿田彦大神との出会う
天照大御神は地上の世界(葦原中津国)を治めるために、遣いとして孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を派遣します(天孫降臨)。
このときに、アメノウズメは五伴緒神(いつとものお)として邇邇芸命に付き従います。
しかし別の神から、地上に「ギラギラと光る目と長い鼻を持ち、真っ赤な顔をした恐ろしい異様な神がいる」という報告を受けます。
天照大御神は、アメノウズメが勇気があることを知っていたので、恐ろしい神に何者であるか一人でたずねてくるように命令します。
アメノウズメがその神に名前を尋ねると、「私は猿田彦、瓊瓊杵尊を葦原中津国まで案内するために、ここで待っています。」と答えました。天照大御神はこれをきいて喜び、こうして猿田彦は瓊瓊杵尊を葦原中津国まで案内することになります。
これが、アメノウズメと猿田彦の出会いです。その後、猿田彦の案内によって葦原中津国の高千穂という場所に無事辿り着いた瓊瓊杵尊は、アメノウズメに「猿田彦の名を負って、仕えなさい」と言います。
こうして、アメノウズメは猿田彦と結婚し、猿田彦の妻という意味の「猿女君」(さるめのきみ)に改名したと言われています。
また、後に大嘗祭や鎮魂祭といった宮中の神事をおこなう女官に猿女君と呼ばれる一族が生まれます。この一族は天宇受売命の子孫とする説もあるようです。


