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歳徳神の物語
歳徳神は、大年神の別名で「古事記」の出雲建国に登場し、大国主神(オオクニヌシノカミ)の国づくりを助けた神様とされています。
大国主神は、神様のなかでも特別とされる造化三神の一柱「神産霊神(カミムスビノカミ)」から、その子供の少名毘古那神(スクナビコナノカミ)と一緒に国を作るように命じられます。
ところが、少名毘古那神は、建国の最中に突然、常世の国という海の向こうの遠い国に行ってしまいます。優秀なパートナーを失った大国主神は、ひとりで国を開き、維持していくことはできないと嘆いてしまいます。
そのとき、海の上一面にきらきらと光を放ちながら大国主神の前に現れ、「私を大事に祀ってくれるなら、一緒になって国を作りかためてあげましょう。」といったのが素戔嗚尊(スサノオノミコト)の娘とされる大年神です。
大年神は、「どのようにお祀りすればよいですか。」という大国主神の問いに対して、「大和(やまと)の御諸(みもろ)の山の上に祀ってくれればよい。」と答えます。以降、大国主神は言葉通りに大年神を祀り、ふたりで国を広げていったとされています。