式神の召還方法
式神を召喚するには「式札」と呼ばれる和紙の札に術をかけることがカギとなります。式神はその式札のなかに封じ込められているため、術をかけることで姿を現すことができます。
陰陽師の霊符
式札と同じく、陰陽師は霊符とよばれる札を用いていました。霊符に名前の書かれた人がその霊符を持ちあることで願いを成就させる効力が増大するとされています。霊符には五芒星(セーマン)や九字格子(ドーマン)が書かれることが多いです。
五芒星の5つの頂点はそれぞれ陰陽道の基本となる五行(木・火・土・金・水)を現していて、それを一筆で結ぶこと(★形を刻むこと)で様々な災厄から護り、心を清浄、浄化する結界の役目を果たしているとされています。
一方、ドーマンは、横5本縦4本の線からなる格子形(九字護身法「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前」によってできる図形)をしています。
物語にみる式神
中世から現代の物語に登場する式神について少しご紹介します。
宇治拾遺物語にみる安倍晴明の式神の話
鎌倉時代初期の説話集『宇治拾遺物語』のなかでは安倍晴明の活躍を垣間見ることができます。
- 蔵人の少将の頭にカラスの糞が落ちたのを安倍晴明は「誰かの式神の仕業だ」と見定め、少将にかけられた死の呪いを祓うべく加持祈祷をし続けました。そして、呪いをかけた陰陽師の元から「後ろ盾の強い方からの命令で式神を遣わせましたが、(晴明の加持祈祷により)術がはね返り、今まさに自分の式神に殺されようとしています」と言伝えがあり、少将の義兄が陰陽師を雇って少将の命を狙っていたとわかるのでした。
- 晴明の式神の力は本当かと疑う僧たちが「式神で人を殺すことはできますか?」と尋ねます。晴明は「できますが容易ではありません。虫などはすぐに試せますが、蘇らせる術を知らないのでむやみに殺生はできません」と答えましたが、僧たちは「あそこにいるカエルはどうか」と言います。晴明は力を試されていると感じたので、近くにいたカエルにむかって草を吹きかけました。すると、その草に触れたとたんにカエルは死んでしまったので僧たちは恐ろしく感じました。
ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に出てくる式神(形代)
ジブリの映画作品『千と千尋の神隠し』にも式神が登場します。ハクが龍の姿のときに、大量の人形(ひとがた)の式神がハクを追いかけてきますが、あれは銭婆が放ったものです。また、そのうちの1枚が千尋の背中にくっついて湯屋のなかを偵察していました。そして、式神の中から銭婆のゆらゆらした姿が出てくるのは、思念が込められているからでしょう。
このように、現代のアニメ作品のなかでも式神は活躍しています。
ほかにも様々な映画や漫画にも式神は登場するので、今なお陰陽師の術は興味の対象と言えますね。


