全国の多くの神社では年に2回、夏と年末に心身の穢れを祓う「大祓」がおこなわれ、夏の時期(6月)に行われる大祓を「夏越の大祓」と言います。この記事では、夏越の大祓とはどのような祭事かを解説し、夏越の大祓が行われる神社をご紹介します。
夏越の大祓とは?
夏越の大祓とは、人形(ひとがた)や形代(かたしろ)を用いて罪や過ちを祓い、心身の穢れを取り除く祭事です。
多くの神社では、夏の時期と冬の時期の年に2回、「大祓」を行っています。大祓を行うことで、清らかな心で生活できたり、降りかかる厄災を回避できたりするとされています。
穢れを祓う行為は古くから日本に根付いており、日本最古の歴史書と言われる古事記でもイザナギが黄泉から帰還した際に穢れを祓うシーンが描かれているように、日本人にとっては重要な意味があります。
半年ごとに大祓を行うことによって、心身を清めると同時に、自身の行いを振り返るきっかけにもなるのではないでしょうか。
また、夏越の大祓時期は、茅の輪くぐりを設置する神社も多くあります。茅の輪をくぐることによって、さらに心身の穢れを祓い無病息災を願うことができるため、この時期に参拝に訪れる方も多くいます。
夏越の大祓はいつ行われる?
夏越の大祓は、基本的に毎年6月30日(神社によって若干異なります)に各神社で行われます。
祭事自体は1日のみとなりますが、茅の輪くぐりについては祭事の数週間前から設置されていたり、祭事後1ヵ月間程度設置されていたりします。茅の輪くぐりを設置している神社によって期間が異なりますので、公式ページや電話での問い合わせなどで確認しておくとよいでしょう。
なお、冬の時期の大祓は、基本的に12月31日に行われ、「年越の大祓」と言われています。
初穂料はいくらくらい?
夏越の大祓の初穂料は、基本的に決まっていません。
というのも、そもそも祭事に関わる初穂料は神様への感謝の気持ちをお供えするものだからです。そのため、初穂料は無理のない範囲かつ、神様に失礼のない金額を気持ちとして納めてください。
ただし、夏越の大祓に参加すると、参加した証として茅の輪の御守りや御幣(ごへい)などが届くことが多いです。そのため、茅の輪の御守りや御幣などの制作費、送料を考えた初穂料を納めるのが一般的です。
初穂料の相場は500円~5,000円程度と言われていますが、東京都の神田明神のように、あらかじめ公式ページに初穂料の記載がある神社もあります。初穂料は地域や神社によって異なるため、公式ページや電話での問い合わせなどで確認しておくとよいでしょう。