宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)は、穀霊の神、商工業の神とされています。
全国に4万以上あるといわれている稲荷神社のご祭神であることから、今を生きる人たちにも親しみをもって信仰されている神様だといえるでしょう。
「お稲荷さん」と呼ばれるのは、「稲(い)生(なり)」が語源とされています。
宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)とは?
宇迦之御魂神は、古事記によると天照大神の弟である須佐之男命(スサノオノカミ)と市場や流通を司る神大市比売との間に生まれた神様です。
年穀の神で、年始に迎える「年神様」と呼ばれる大年神(オオトシノカミ)を姉弟にもちます。
日本書紀では神産みの第六において、伊邪那岐大神と伊邪那美神が食に不自由し疲弊した時期に明確な意志ともって産まれた食の神とされています。
宇迦之御魂神の名前の由来
宇迦之御魂神の名前を分解すると、穀物の神ということがよくわかります。
宇迦は食物の中でとくに稲霊をを指す「ウケ」、また穀物や食物の意味で、御はいうまでもなく神聖という意味です。
このあとに続く魂がつくことから、「稲に宿る神聖な霊」となります。
天照大御神の食事係として伊勢神宮に祀られる豊受大神(トヨウケオオカミ)も名前に「ウケ」をもちますね。豊受大神もまた、穀物を司る神です。
宇迦之御魂神の別称
国津神で、神格は食物の神です。
古事記では宇迦之御魂神と記され、日本書紀では倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)と表記されています。
別称は、稲荷社の祭神として稲荷大明神、田畑の守り神である三狐神(サンコンシン・ミケツカミ)、食物の神として御食津神(ミケツカミ)とも呼ばれています。